ツカマエタ

「あっははははははははあははははははははっはは！！！！！！！！！」

彼女はこちらを向いて走ってきた。
全身から血を流しながら、不自然に折れ曲がった腕や足をものともせず、
ただただ全力で、俺の元へと走ってくる。

俺は歩いてきた道を全力で逃げ戻った。

お地蔵様がある地点までたどり着くと、走りながらお地蔵様に手を合わせた。
あの人を供養してください、俺を助けてください。
あの時はポイ捨てしてすみません、○○をいじめてすみません、

なんてよくわからない懺悔までしてた。

後ろからはまだあの笑い声が聞こえる。

ふいに足がもつれ、林道からそれた俺はそのまま急斜面を滑落した。

体中が木で傷つく痛みに耐えながら、転げ落ちた。

何かに掴まろうともがいた手のひらには今でも傷が残ってる。

横たわった木に頭を強打し、立ち上がるにも立ち上がれない。

いよいよもうだめだ、ついに気を失った。

目覚めると、女の顔が目の前にあった。

「ツカマエタ！！！！！！！！」