サンタクロースじゃなかった
投稿者:ぴ (414)
クリスマスの日に、私はひっそりと布団に隠れて起きていました。
深夜にサンタさんが来るので、そのサンタさんを捕まえて友達に見せたかったのです。
だから、深夜にゴトっという物音が聞こえたときに、俊敏に起き上がって音がしたほうに走っていきました。
サンタさんが来たと思ったからでした。
でも、物音がしたらしき二階の物置に行ったら、何かが動いていたのです。
サンタさんだと思って飛びつこうとしたのですが、サンタさんにしては小さかったです。
私が電気をつけてみたら、それはお人形さんでした。
しかもそのお人形、どういう原理なのか自分で立ってこっちを見たのです。
「きゃあああ」と悲鳴をあげて、私は寝室に飛んで帰りました。
そして父と母を起こして一緒に物置に連れていったら、その人形は影も形もなくいなくなっていたのです。
私が人形の見た目を両親に説明したけど、そんなもの物置に置いていなかったと父も母も困っていました。
その日は少ししか眠れず、朝になるとなぜかもみの木の下の靴下型の袋の中に、クリスマスプレゼントが入っていました。
でも私は内心それを喜ぶどころではなくて、とにかく怯えていました。
いまだにあのお人形が何だったのか、判明していません。
あの日だけあそこにあった人形なのでしょうか。
私はクリスマスの日に見てはいけないものを見てしまった気がしています。
クリスマスに家にやってくるのはサンタクロースだけじゃないのかもしれません。
クリスマスシーズンに読みたかったね。