イマジナリールーム
投稿者:take (96)
私が中学の時に母方の祖父が他界し、祖母はずっと独り暮らしをしていましたが、高齢となったので、長男(私から見れば伯父)に引き取られることになり、住んでいた家を引き払うことになりました。
最後だからと、片付けも兼ねて、親戚一同集まったのでした。
いとこたちとも久しぶりに会い、四方山話に花を咲かせたのですが、私より2歳上の従兄弟が、
「昔、階段の途中にあった部屋っていつなくなったんだろう」
と言い出しました。
幼い頃、階段の途中にある踊り場の壁に、30×50センチくらいの、戸棚のような引き戸があり、そこを抜けると8畳くらいの和室につながっていて、よく遊んだのを私も記憶していました。
古いボードゲームやトランプが置いてあり、窓は磨りガラスでしたが、いつも太陽の明かりが差し込んでいました。
その入口がいつの間にかなくなっていて、『あの部屋、潰しちゃったんだな』と思っていたのですが……。
父母や他の叔父や叔母に訊いても「そんな部屋はなかった」と言います。
実際、踊り場の壁には後から塞いだような形跡はありません。
そんなところに部屋があれば、家の外から見たとき、部屋の分だけ出っ張っていなければならないのですが、そんなこともありませんでした。
大体、子供だけしか通れないような出入り口から通じている部屋なんておかしな話です。
そして不思議なのは、12人居るいとこの内、その部屋はあったと言う者と、そんなもの見たことないと言う者に分かれたことです。
部屋の記憶があったのは、私と妹と、2歳上の従兄弟、私と同い年の従姉妹、3歳下の従姉妹だけでした。
私と妹は『霊感体質』で、あとの3人も勘が鋭かったり、予知夢を見たりするそうです。
私と妹には上に姉(霊感なし)がいますが、「全く記憶にない」でした。
後日、その時に来れなかった一番下の叔父(霊感あり)が、その話を聞いて「昔そんな夢を見た気がする」と言ったそうです。
あれは似たような体質の者が共有していた『イマジナリールーム』みたいなものだったのかなと懐かしく思い出します。
おもしろー
勉強になりました。