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不思議体験

キミ・ナンヤネンさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

嘘松
長編 2023/01/08 00:45 8,518view
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交差点に差し掛かると、俺の前にいた小学生くらいの男の子が、赤信号にも関わらず道路を渡ろうとしていた。

俺は思わず

「危ない!」

と叫んで子供の腕を引っ張った。ほんのわずかなところで俺も子供も車に轢かれるところだった。

しかし、そのはずみで転んだ時に、頭をどこかに打ちつけてしまった。

「子供は…子供は無事か…?」

それが気を失う前の最後の言葉となった。

気が付いて目が覚めると、そこはどこかの病院のベッドの上だった。

体を起こして部屋を見渡していると、自分の身に何が起こったかを思い出そうとしていた。

そうしていると、ガラガラと病室のスライドドアが開いた。

入ってきたのは山田さんだった。

「おお、目が覚めたのか。良かった良かった。本当に良かった。」

俺は目が覚めてはいたが、頭がまだ追いつかなかった。

しかし、あの日の出来事を思い出して状況を把握しないといけない。

「…先輩、お見舞いありがとうございます。そう言えば、あの時の子供って大丈夫だったんですか…?」

「子供?何の事だ?」

「…先輩と飲んだ帰りですよ…。道路を赤信号で渡ろうとした、あの子供ですよ…。」

「お前何を言ってるんだ?子供なんていなかったぞ。しかも飲み会の帰り?昨日…いや、おとといか。お前と一緒に行った営業の帰りの事だよ。」

「そんなバカな…。」

そもそも開発部の俺と先輩は営業に行く事はほとんど無い。無いはずだ。

「大丈夫か?いや、確かにお前は転んで頭を打ったよ。そもそもお前が赤信号で渡ろうとしたんだ。それを俺が止めたんだぞ。」

「いやそんなはずは…。」

「お前を止めようとした時に転んで、うまく避けられなくて確かにお前は頭を打ったんだ。」

「俺が赤信号を渡ろうとした…?」

目が覚めたばかりのせいか、記憶が混乱しているのかもしれない。山田先輩は嘘など言うような人じゃないが、俺の記憶とはかなり違うから、先輩の言葉で混乱に拍車がかかっていた。

そうしているうちに、巡回の医者が看護師と一緒に病室に入ってきた。どうやらこの医者が俺の担当のようだ。

「ああ(俺)さん、やっと目が覚めたようですね。安心しました。」

「やっと?やっとというのはどれくらいの時間、俺は眠ってたんですか?」

「そうですね…。確か今日でちょうど1週間…ですね。」

俺は思わず

4/5
コメント(2)
  • 数年前に、これと少し似た話を書き込んだことがあるので、もしかしたらそれを読んだ方がいるかもしれません。その時は占い師ではなく、喪●福蔵でしたが。
    作者より

    2023/01/08/00:56
  • ネット廃民ほどおもろい滑稽な存在はいない

    2023/09/30/12:06

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