真っ赤な覗き穴
投稿者:ぴ (414)
昔、別宅に父の持ち家と言われる家がありました。
今は人に貸しているのですが、昔は父がたまに行って掃除するだけで使っていない家でした。
その家のベッドでぴょんぴょんして遊んでいたら、横の壁におかしな穴が開いていたのです。
子供ながらその穴がすごく気になって、穴の向こう側を覗いてみたのです。
好奇心いっぱいだった私がその穴を覗いて見ると穴の中はなぜか真っ赤でした。
一度はぎょっとしたのですが、あまりに不思議だったので、もう一回覗いてみようとしたのです。
そしたら後ろから強い力で引っ張られました。
尻もちをつき、驚いて振り向いたら、白装束の子供が立っていたのです。
その子は私の服を引っ張って、穴を覗くのを引き留めたみたいでした。
引っ張られたことにもですが、私はそれ以上に突然知らない子が部屋にいたことに驚きました。
その子は私に一言だけ、「その穴覗いちゃダメよ」と言ったのです。
それだけ言ってその子は部屋を出ていきました。
しばらく放心状態だった私ですが、怖くなって車庫で掃除している父を呼びにいきました。
そして同じ年くらいの子供がいたことを話したけど、父は私が作り話をしているとでも思ったのか信じてはくれなかったです。
怖いのがベッドの横の覗き穴なのですが、数日後にもう一度この家に行ったときにはなぜか最初から無かったかのようにきれいに塞がって無くなっていたのです。
大人になって父に聞いたけど、そんな穴なんて見たことないと言われました。
私が覗いたあの赤い穴はなんだったのか、今も不思議でたまらないです。
あの穴は覗いてはいけない穴で、そしてあの白装束の子はもしかしたら私を助けてくれたのかもしれないと少しだけ思っています。
助けてくれたに違いない。