短編
2022/12/26
09:07
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父が若かった頃、親戚の集まりがあったそうです。
そこには霊感があると自称するおばさんもいました。なんでも金縛りはしょっちゅうで、お葬式の最中に歩き回る故人を何度もみたそうですが、周りの大人からは少し変わった人扱いをされていました。
父といとこ達が酔った勢いで「自分たちに霊感はあるか」「どんな守護霊がついているのか」と尋ねると
「あんた達みんな霊をみるセンスないわ!」
「あんたには父方のおじいさんがついてるけど、ちゃんと勉強しろって怒ってるよ!」とズバズバ言うもので父達はひっくり返って笑ったそうです。
そしておばさんは急に真面目な顔でいとこのひとりを指し「特にあんたは絶対に幽霊をみられないよ」「だから絶対に心霊スポットだとかご先祖様がいるお墓以外に行っちゃ行けない」と言いました。
おばさん曰く「どんなに霊感のない人でも霊が害をなそうとすればそれを感じとれる。でもあんたはその力さえない」「例えるならトラックが突っ込んできてるのに見えないから避けられないのと一緒よ」
「まあ自分から関わらなければ大丈夫大丈夫!!」とおばさんは笑って締めましたが、父達はその迫力にすっかりのまれ、酔いも醒めてしまったそうです。
そのいとこさんは大人になったいまもおばさんの言葉を守り、そのおかげか平穏に暮らしているそうです。
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