それは派手な音をたてて落下すると、ゴロゴロとフロアを転がる。
出来立てのシチューのスープや野菜そして多くの肉が、盛大にフロアにぶちまけられた。
周囲を飛び交う驚きの声や怒号。
白衣姿のスタッフたちが数人がかりで俺の身体を掴み取り押さえ倒すと、頭部を掴んでフロアに片方の頬を擦り付けた。
俺は胸を圧迫されながらも必死に叫び続けた。
「みんな騙されるな!
このシチューの肉は偽物だ!
人間の肉だ~!
騙されるな~!」
悲痛な叫びは初秋の曇り空に虚しく吸い込まれていった。
【了】
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人肉系ね・・・
臓器売買かと思ったらそっちかーい!!怖!
死体の肉が患者に配られ、もしその患者が死ぬとまた肉になって配られる。
最悪の循環…