深夜の金縛り
投稿者:ぴ (414)
その夜、私は仕事でくったくたに疲れて、早めに就寝しました。
そしてふと目が覚めたら、体が動かないことに気が付きました。
「あー、金縛りか」って思いました。
ときどき、疲れたらこうなることがあったので、最初はそれほど気にしていなかったです。
時間が経てば、動けるようになると思って少し冷静でした。
だけどその日はいつもと様子が違って、ボーンという変な音が耳に聞こえていました。
そして突然見知らぬ人が視界に入ってきたのです。
その人は白い着物を着た女性でした。
ぶつぶつ独り言をいいこっちを見つめています。
それだけでもぞわっと鳥肌が立ったのに、その人の手には刃物が握ってありました。
よく見ると真っ赤な血がべったりと付着した包丁を持っているのです。
これを見てさすがに恐怖心は隠せなかったです。
その人がだんだんと寝ている私の方に近づいてきて、私は心臓がどくどく鳴ります。
逃げたかったけど金縛りで動けなかったです。
冷や汗を垂らしながら私が伺っていると、その女性は私のすぐ近くまで寄ってきて、しばらくじっと観察して首筋あたりに手を掛けました。
あまりに冷たすぎる手の温度に恐怖しました。
「首を絞めて殺される」と思ったのです。
だけど一度首に手をかけて、その白い着物の女性は一言いいました。
「ああ、違う・・・」とそう言ったのです。
すっと立ち上がると、その女性は静かに吸い込まれるように家の壁の向こうに消えていきました。
女がいなくなった瞬間に、金縛りが解けて私は体が動かせるようになりました。
動かせるようになったけど、放心状態でしばらく震えてました。
時計を見るとまだ朝の3時40分を回ったくらいでした。
朝になって大家さんに話してみたら、昔この辺りで夫の浮気を苦に自殺した女性がいたらしいです。
その人だったのかどうかまでは分かりませんが、ひょっとしたらその人はずっと夫の浮気相手を探しているのかもしれません。
久々に怖かった投稿です。。
間違っていたらちゃんと謝って欲しいです。