このあと解体していくのだが、オレは大型のカッターを使って解体する。
脂がすごいので刃がすぐダメになってしまうのと、
最初の頃は高いナイフをカッコよく使っていたのだが、
とにかくナイフは山で良く無くしてしまうことから、
もう解体用ナイフにお金をかけるのをやめたのだ。
まぁこれは「ハンターあるある」だ。
さて、イノシシの頭を切り落とし、お腹を割き、胸骨を取って内臓を抜き取る。
かなりの血が流れる。心臓とレバーは刺身でもいける新鮮さだ。
真ん中から割って背骨を取れば、あとは「お肉」にするだけだ。
できあがった肉は今晩のおかずにもなるし、里の村人にもおすそ分けする。
ちょうどその時だ。一台のピックアップトラックがやってきた。
ハンター仲間のAだ。
「なんだアイツ、今頃来やがって、遅いっつーの。解体もほとんど終わりだぞ。
もっと早く来て手伝えっつーの」そう独り言をつぶやいた。
Aのやつがノンキに挨拶してきた
「オイーッス!イノシシ捕まえたの持ってきてやったぞ」
オレはあきれて応えた。「まーたイノシシかよ、獲れすぎだろ」
「なんだ、解体やってたのかい?」と、Aがのぞき込んできた。
が、次の瞬間「ひぎゃああああぁぁぁ」と大声で悲鳴を上げた。
その場にへたり込んでまるで腰が抜けたかのようになっている。
驚いたのは俺の方だ。何をいまさら解体現場を見て驚いてんだコイツは・・・
Aが震えて叫ぶ「お、お、おまえ!なんで、なんで人間解体してんだよぉぉぉぉ!」
「はぁああ?」
オレはAが何を言ってるのかわからなかったが、
今しがたまで解体していたイノシシを振り返って眺めてみた・・・。
そこにはイノシシではなく、内蔵を抜かれた人間の体と、
オレの妻の頭が、胴体から切り離されて転がっていた。























何やってんすか!?
ほぎゃあああぁーーッ!!Σ(゚Д゚)
まぁ、夫婦喧嘩とかすると、周りが見えなくなって頭真っ白になっちゃうときとかあるよね。
五等分の花嫁とはこれのことか