狩猟解体_加筆修正版
投稿者:kana (210)
このあと解体していくのだが、オレは大型のカッターを使って解体する。
脂がすごいので刃がすぐダメになってしまうのと、
最初の頃は高いナイフをカッコよく使っていたのだが、
とにかくナイフは山で良く無くしてしまうことから、
もう解体用ナイフにお金をかけるのをやめたのだ。
まぁこれは「ハンターあるある」だ。
さて、イノシシの頭を切り落とし、お腹を割き、胸骨を取って内臓を抜き取る。
かなりの血が流れる。心臓とレバーは刺身でもいける新鮮さだ。
真ん中から割って背骨を取れば、あとは「お肉」にするだけだ。
できあがった肉は今晩のおかずにもなるし、里の村人にもおすそ分けする。
ちょうどその時だ。一台のピックアップトラックがやってきた。
ハンター仲間のAだ。
「なんだアイツ、今頃来やがって、遅いっつーの。解体もほとんど終わりだぞ。
もっと早く来て手伝えっつーの」そう独り言をつぶやいた。
Aのやつがノンキに挨拶してきた
「オイーッス!イノシシ捕まえたの持ってきてやったぞ」
オレはあきれて応えた。「まーたイノシシかよ、獲れすぎだろ」
「なんだ、解体やってたのかい?」と、Aがのぞき込んできた。
が、次の瞬間「ひぎゃああああぁぁぁ」と大声で悲鳴を上げた。
その場にへたり込んでまるで腰が抜けたかのようになっている。
驚いたのは俺の方だ。何をいまさら解体現場を見て驚いてんだコイツは・・・
Aが震えて叫ぶ「お、お、おまえ!なんで、なんで人間解体してんだよぉぉぉぉ!」
「はぁああ?」
オレはAが何を言ってるのかわからなかったが、
今しがたまで解体していたイノシシを振り返って眺めてみた・・・。
そこにはイノシシではなく、内蔵を抜かれた人間の体と、
オレの妻の頭が、胴体から切り離されて転がっていた。
何やってんすか!?
ほぎゃあああぁーーッ!!Σ(゚Д゚)
まぁ、夫婦喧嘩とかすると、周りが見えなくなって頭真っ白になっちゃうときとかあるよね。
五等分の花嫁とはこれのことか