ホラー禁止令
投稿者:いももち (40)
短編
2022/11/11
14:11
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私は子どもの頃からオカルトや幽霊などホラー系のテレビ番組や子ども向けの怖い本を読むのが好きでした。
そのくせ人一倍の怖がりで「ほんとにあった怖い話」など観ようものならトイレもお風呂もひとりで行けず、家族の誰かを捕まえて付き添ってもらっていました。
あまりに私が怖い怖いと騒ぐため、手を焼いた母は私に「ホラー禁止令」を発令しました。
「怪談レストランシリーズ」を読むことも禁止、稲◯淳二さんがテレビに映ろうものなら速攻でチャンネルを変えられました。
夏休みの頃だったか、私はテレビを観ながらひとりで留守番をしていました。
すると、たまたま回したチャンネルで心霊現象の特集を放送していたのです。
(今なら邪魔されず観られる!!)とドキドキしながら、久しぶりのホラーを楽しんでいました。
「ドラマの撮影中誰もいるはずのない場所から女性の顔がのぞいている」という話があり、その顔がスローでアップになった瞬間
突然バチンッッ!!!と大きな音をたててチャンネルが変わりました。
もちろん家には私ひとり、リモコンには触れていません。
怖さを通り越して硬直したまま、世界陸上を語る織◯裕二さんを見つめていました。
なぜか帰宅した家族には話せず、ホラー禁止令を遵守するどころか泣いて嫌がるようになりました。
現在はその反動か古今東西のホラーを嗜む、それでもやっぱり少し怖がりな大人になりました。
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