大将、例のやつを一つ
投稿者:ねこじろう (147)
本当に会話を忘れるくらいに衝撃的な旨さだったのだ。
店に行った翌日から俺は肉の味が忘れられず、三日目にして我慢できなくなり、とうとう自分から今泉を誘った。
二つ返事でオーケーした今泉と俺は、夜8時頃一緒に会社を出ると真っ直ぐあの店に向かった。
この間と同じくカウンターに座ると、黄色いバンダナをした小太りの兄ちゃんがおしぼりを手渡す。
「あれ?大将、ちーちゃんは?」
今泉がおしぼりで手を拭きながら、カウンターの向こうに立っている大将に尋ねる。
「ちーちゃん?、ああ、あの娘ね、ありゃあダメだよ。
本当最近の若いのは使えねえんだよなあ」
大将は額に皺を寄せながら、苦々しげに言った。
「ダメだよ大将!店員さんは大事にしなきゃあ。終いには一人だけになっちゃうよ」
そのやり取りを聞いていた後ろ側に立つ新しいバイトの兄ちゃんが強ばった表情で笑っていた。
「じゃあ、とりあえず生ビール二つね!
それと大将、さっそく例のやつ二つね」
やはり絶品だった、、、
俺も今泉も夢中で「例のやつ」という極上の肉を貪るように食べ続けた。
一時間ほど経った頃、尿意をもよおした俺はお手洗いに立った。
トイレはビル裏側にあるようで、行くためには一度店を出ないといけないようだ。
酔い醒ましにちょうどいいかもと思いながら俺は店を出ると、雑居ビルの横の薄暗い路地を通り抜け裏側に出た。
そこはちょっとした空き地になっていた。
タバコの吸い殻や潰れた空き缶が、あちこち落ちている。
すぐ手前にプレハブの簡易なトイレ、そしてその向こうに何かの物置であろうかプレハブ小屋が建っている。
その前にはビルの勝手口があり、恐らくさっきの店の厨房につながっているのだろう。
俺がトイレで用をたし、店に戻ろうと歩きだしたときだ。
カチャリと音がして向かい側にあるプレハブ小屋から、人が出てきた。
それはさっきの店の「大将」だった。
革製の大きなエプロンを首からかけている。
ポリバケツを片手に持った大将は俺には気付かずに勝手口を開くと、さっさと厨房に消えていった。
俺は好奇心にかられ、左側のプレハブ小屋のところまで歩きドアの前に立つ。
ドアには、「立ち入り厳禁」と黒マジックで書かれていた。
だがドアは少し開いている。
大体途中から人肉なのかとわかったけどわかったけども…怖かった!笑笑
大将、タヒ刑すね。