裏拍手
投稿者:ねこじろう (147)
などと思いながらも好奇心に負けた私は目前に鏡を置くと、2時になるのを待ちました。
その時心臓の鼓動が少しずつテンポを上げてきて妙に胸騒ぎを感じたのを、今もはっきり憶えてます。
そしていよいよ2時になりました
私は緊張した面持ちで鏡を見ながら、左右の手の甲をポンポンポンと三回合わせます。
果たして、、、
しばらく緊張しながらじっと鏡を睨んでいました。
でも映っているのは自分の顔だけで何の変化もありません。
辺りを見回してみましたが室内にも何の変化もありません。
─なんだ、やっぱり作り話か
肩透かしをくらったような気分でため息をつき電気を消すと、さっさとベッドに潜り込みました。
その日は勉強疲れもあったからすぐに寝落ちするかと思ったのですが、何故か中々寝付けないんです。
布団の中で右に左に寝返りをうちながら微睡みが来るのを待っていました。
それからどれくらいが経った頃でしょうか。
・
・
─ギ、、、、
何か板が軋むような音が微かに聞こえてきます。
その音は一定のゆったりしたテンポで少しずつ大きくなってきました。
─ギ、、、、ギ、、、ギ、、、、
その時私はふと、去年病気で亡くなったじいちゃんを思い出したんです。
じいちゃんの部屋は廊下を挟んだ私の部屋の前です。
たまに深夜になると用を足しに階段を軋ませながら階下に降り再び2階に上がってきていたんですが、その時に聞こえていたのが正にその音でした。
─じいちゃんが階段を登ってきている!
私は布団を頭から被ると、全神経を耳に集中しました。
そしていよいよ軋む音は間近に近付くと、一旦ピタリと止みました。
私は震えながら「こっちにくるな、こっちにくるな」と繰り返してました。
すると、
─ガタッ、、、ガタッ
前の部屋の襖ががたつく音がしたかと思うとスーっと開く音がし、最後はカタンと閉まる音がしました。
一気に脱力した私は、そのまま微睡みの泉に浸かっていきました。
連れ去られたということですね・・・
恐怖でしかないです( ノД`)シクシク…