謎肉 (加筆修正版)
投稿者:kana (210)
これはもう今から30数年前の話です。
当時私は東京の小さな工場で低賃金ながらせっせと働いておりました。
そこは田園調布にも近いというのに寂れた町で、
古臭い住宅街が並ぶ土地でした。
ろくな商店もないので、食べるところに困るということもあって、
工場では安い仕出し弁当をとっておりましたが、
毎日毎日仕出し弁当ばかりだと、やっぱり飽きるんですよね。
毎日違うメニューなはずなのに、なんだかどれを食べても
同じ味に感じてくるのが不思議です。
なので、たまにですが工場付近を散歩がてら、
数少ない飲食のラーメン店や蕎麦屋なんかに行くわけです。
しかしそれにも飽きてきて、いつもとは違う方へと遠征することにしました。
いつもは行かない見知らぬ住宅地へと出たあたりで一軒の古ぼけたお店を発見しました。
意を決して中に入ってみると、そこはカウンターと座敷のある古いタイプの定食屋で、
どれもこれもすすけて古臭く、照明も暗い…。
店内には客もおらず、それどころかお店の人さえおらず、がらーんとしておりました。
「やっぱ引き返そう」と思って一歩下がったその時に、
奥からお婆さんが出てきて「いらっしゃい~」と挨拶してきました。
見つかってしまったものはしょうがない。
カウンター席に座ることにしました。
メニューを見てみると丼ものがありました。
これは良い。カツ丼、親子丼、開化丼と、一応「豚・鶏・牛」と揃っています。
中でも私はカツ丼が大好きだったので、迷うことなくカツ丼を注文しました。
「揚げるから、ちょっと時間かかるよ」と言われたものの、
もう口の中がカツ丼になっていたのでOKしました。
するとお婆さん、店の奥の方へ向かって「爺さん~お肉ちょうだい」と言って、
包丁を持ったまま奥の部屋へとトボトボ頼りなく歩いていきました。
「あぁ、お爺さんが奥で仕込みとかやってて、
二人で切り盛りしてる店なんだな」と思い、
時間つぶしにその辺にあった漫画雑誌を手に取り読みふけっておりました。
kamaです。
理由はわかりませんが、現在画像が出せない状況です。
加筆修正版とは・・・?
この話を最初に書いたのはずいぶん前で、Youtubeでもたくさんの方が朗読してくれていたのですが、なんせ無駄なところや、まどろっこしい遠回しの表現や分かりにくいところが結構あったので、怪談としてわかりやすく推敲しなおしてみました。もちろん稚拙な文章ですが、今自分にできる精一杯の所で修正させていただきました。
自分の話に常に改善点を見つけるところ、kama先生さすがです
人の肉ってクジラ味なんですか?
酸っぱいっていう説もあるらしいけど、、、。
カップヌードルの謎肉懐かしい