中学生の時の忘れられない夜
投稿者:べいさんまっさん (1)
あれは私が中学2年生の頃の話でした。
当時野球部に所属していた私は日々の過酷な練習に疲れ果て、深夜に家の布団で寝ていました。
豆電球がついた薄暗いオレンジ色の寝室、しかし疲れていたはずなのに突然覚める目、ここで私は違和感に気付きました。
身体が動かないのです、いわゆる金縛りでした。
腕や足はもちろんのこと身体のほとんどが動かせず、声も出せない、唯一動かせるのは眼球だけ。
その状況に戸惑っているとすぐに2つ目の異変が起きました。
赤ん坊の泣き声が聞こえてきたのです。
当時家族といえば歳の近い妹と母親のみ、外から聞こえてきたのかと思いましたが明らかにこの部屋の中にいるんじゃないかと思うほど鮮明な泣き声でした。
この辺りからただ困惑していた気持ちがゾッとした恐怖に染まっていくのを今でも覚えています。
そしてとうとう3つ目の出来事が起きました。
大の字で動かせない自分の身体、その自分の腕や足の間を掛布団越しに何かが踏みしめていく感覚があったのです。
ここで自分はかなりのパニックに陥りました。
唯一動かせる眼球で踏みしめられている場所を見てもそこには何もいなかったからです。
なのにその何かが布団越しから足、太腿の間、腕と徐々に自分の顔に向かってくるのがわかったので、私は見えない何かが顔の近くに来るのだけは絶対嫌だと無理やり体を動かして暴れたり、大声で助けを呼ぼうとしたり精一杯抗いました。
すると徐々に身体の金縛りが溶けていくのを感じました。
体を軽く揺らすことができ、手足の指が動かせるようになり、そしてとうとう上半身を勢いよく起こすことができたのです。
そしてその時にはすべての異変は終わっていました。
金縛りが解けたのと同時に噴き出した汗だらけの自分を見ながら、またあんなことが起きるのではないかと気を失うように再度寝てしまいました。
それから10年以上経ちますが同じようなことに遭ったことはありません。
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