足首の手形
投稿者:仔鴨の冒険 (2)
20年ほど前、私が大学生時代に下宿していたアパートでの話です。
夜中、ベッドで寝ていると、左の足首をつかまれる感覚があったのですが、金縛りにあって目を開けることも、体を起こすこともできませんでした。
なぜか、つかんだ手の感触が“子どもの手”、“ミイラのようにカサカサと乾燥している”ということも感じ、しかも、左側へ引きずり落されるような感覚もあり、そのまま恐怖で私は意識を失いました。
翌日、目を覚ますと、私の体はちゃんとベッドの上にありましたが、左の足首を見ると、手のひらの大きさに対して、指の部分が異常に長い、赤黒い手形がくっきりと残っていました。
当時、私が住んでいた部屋はレディースマンションだったので、家賃の割りに比較的セキュリティに気を配られていたようで、1階の入り口はオートロックだし、4階建てのアパートの3階、窓は北側に縦30㎝×幅1m半の小さなものと、南側に縦1m半×幅1m半くらいの出窓(正面は開けられず、左右が20㎝ほど開くだけ)の2つだけです。
北側の窓の周囲には足場になるようなスペースはないし、出窓の方も、玄関前の通路から飛び移っても、開けた部分から入れるようなすき間もないです。
当然、玄関のドアも施錠して、チェーンも掛かっていました。
何より、ベッドの左側は、室内用の折り畳み式の物干し台を収納していたとはいえ、壁との間のすき間は20㎝ほどしかなく、仮に子どもでも入れるすき間なんかじゃないのです。
あれが何だったのか、あのまま引きずられていたら、どうなっていたのかと思うと、今でもぞっとします。
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