たしかにいた感覚
投稿者:ジスタージン (6)
短編
2022/10/22
23:45
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人が日常的に存在する場所。
そういう場所に人がいなかったら…
という話ですが、学生時代、私は京都市に所在するある大学に進学し、関西でも有数の収録スタジオがある放送サークルに入部しました。
放送とはいうもののメインは収録によるラジオ放送のような形態で、収録するためのブースが2つあるかなり恵まれた環境でした。
夕方以降になると授業が終わりサークル活動が活発になるため、人の出入りは多いのですが、午前中など早い時間はあまり人の出入りはありません。
そのため午前中に授業にでたサークル員が仮眠をとるスペースとしても機能していて、私も例に漏れずよく仮眠をとっていました。
ただ毎回眠りに落ちるか落ちないかくらいのタイミングで不思議な現象が起きるのです。
私はアナウンス室に所属していたため、校内連絡やサークル活動などで声を出すときは発声を行います。
そういう時独特の声の響きのようなものがあるのですが、不思議なことに私が寝ていると誰かが発声をしている声が聞こえるのです。
自分だけではなかったのかと思い隣のブースへの扉を開けるのですが真っ暗でもちろん無人でした。
一度ならず何度も続くのでその度周囲を確認しましたが私一人で誰かがいたことはありませんでした。
不思議なことですがいつも人がいて、なんらかの活動をしている場所は誰もいなくなった時、日常を垣間見せる記憶のようなものがあって人の感覚を変えるのではないかと思いました。
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