訪問者の正体
投稿者:りー (118)
短編
2022/10/12
16:52
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私が中学生の頃の話です。
ある日家に居るとインターホンが鳴りました。玄関にはスーツ姿の感じの良い営業マン風の男性が立っていました。
「お家の人はいらっしゃいますか?」と尋ねられ「今は私1人ですが、もうすぐ父が帰って来ます」と返しました。男性は「そうですか」と言うとそそくさと帰って行きました。
家族に用があるのではないのか、営業ならパンフレットくらい置いておくのではないかと不審に思っていたら父が帰って来ました。
すぐに父に今の事を報告すると非常に驚いた様子で「それは泥棒だ」と言います。最近近所では営業マンを装った泥棒が横行しているらしく、住人が居ても力が弱そうなら力づくでねじ伏せ貴重品の在処を聞き出すのだそうです。
それを聞いてゾッとしました。あの時はすぐに父が帰って来る予定だったので泥棒は諦めたのです。もし暫く私1人しか居ないと分かればすぐにねじ伏せられていた事でしょう。すぐに警察にも通報しました。
それまで私は泥棒と言ったらもっと怖い顔をして怪しげな格好をしていると思っていましたが、あまりに自然な出で立ちに油断してしまいました。ぱっと見ではとてもそんな恐ろしい事をする様には見えなかったのです。
人は見かけによらないと言う事と安易に人を信用する事の危険性を学んだ出来事でした。
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仮に本当にセールスマンだったとしても、やっぱりこのご時世だから安易に応対はできませんよね
そんな強盗の手口があったことを初めて知りました。