カエルの化身
投稿者:ぴ (414)
家族を紹介してもらえるとなり、私は朝からずっとそわそわしており、彼の実家に伺うことを楽しみにしていたのです。
彼の実家は本当に田舎の山奥にあって、彼の車で山道を上へ上と登りました。
途中でつり橋みたいな橋があり、ドキドキしながら渡ったりもしました。
すごく自然が綺麗な場所でしたが、町からは車で1時間くらいかかったように思います。
こんなとこから通っていたのかとすごく驚きました。
家に着くと、彼の両親がお迎えしてくれました。
彼に似てちょっとふっくらした両親でした。
失礼ではありますが、彼に似てカエルを思わせる容姿だなと二人をまじまじ見て思いました。
実家に辿りついたのはもう夜遅かったので、そのままお風呂に入って眠ることになりました。
食事は途中でしてきていたので、そのまま眠ったのです。
初めての彼の実家ということで、かなり緊張感があったのだと思います。
私はふと目が覚めてしまいました。
薄暗い中、スマホを確認すると深夜の3時頃で、私は音をたてないように気を付けながら、彼の家のトイレに向かったのです。
トイレから出ると、奥のほうに明かりがついた部屋が見えました。
時間は深夜の3時です。
私はてっきり誰かが電気を消し忘れたのだとばかり思って、その部屋に近づいていったのです。
電気を消そうと部屋に入ろうとしたら、中から声が聞こえてきました。
こんな時間に誰か起きてることに驚いて、私が部屋に入るのを躊躇していたら中にいる声で声の主が彼と彼の両親だと分かりました。
なんでこんな時間に起きて話をしているのだろうと、私はとても不思議でした。
悪いと思いながらも部屋の前で聞き耳を立ててみると、彼らは言い争っているようでした。
彼が「彼女と結婚したい」と私との結婚の許しを請うており、父と母はそれに難色を示しているように見えました。
それを聞いて結構ショックだったし、なぜダメなんだろうと気になりました。
そしたらお母さんらしき高い声の人が「だって相手は人間よね?」と言い出したのです。
すると父親らしき声が「あの子はわたしらのことを知っているのか?」と厳しい口調で聞いていました。
「人間は何を食べるか知っているの?動物の肉を食べるのよ」「人間は私たちとは寿命も違う」「一緒に生きてはいけないよ」との言葉もありました。
話を聞いていると、まるで自分たちは人間じゃないみたいな口ぶりなのです。
何を言っているんだろうと私は困惑してしまいました。
そしたら彼が「でも助けてくれたんだ」というのです。
彼は私が自分が死にそうなところを助けてくれたといいました。
切ないです。気を落とさず新しい彼氏を見つけてください。
おとぎ話みたいで引き込まれました。
結婚してたらどうなっていたのか・・・
彼は、きっと下戸だね。商社マンも変わったな。
寂しそうにごめんはきつい、感動