実家の別宅で起こった話
投稿者:タランチュラ4946 (1)
今から約10年程前の話になります。
実家を出て、何年かアパート暮らしをしていたのですが、ちょうどアパートの更新月でもあり、新しく上の階に越してきた人の足音や生活音もうるさいので
一度アパートを解約して、次の住処が見つかるまでの間、一時的に実家に戻るタイミングでした。
ちょうど運送会社に勤めてる友人が居たので、彼が会社からトラックを借りて引っ越しの手伝いをしに来てくれました。
昼間だと道路も混むし、アパートの駐車場もトラックを乗り入れると他の住人の迷惑になる為、夜の引っ越しにしました。(夜の作業も充分迷惑ですが)
無事に全ての荷物を詰めて、夜の11時くらいにアパートを出発しました。
アパートで使っていた荷物は家具などもあった為、実家の自分の部屋には置けないので、実家から少し離れた山の方にある別宅の方へ大っきい荷物を降ろしに行く事にしました。
アパートからは、100キロ位の距離の為、別宅に着いたのは夜の12時過ぎくらいです。
因みにですが、自分の家は商売をやっている為、冬の間だけその別宅を店として営業させています。
朝から夕方までの営業の為、夜は誰も住んではいません。
その引っ越しの時期は夏場だった為ずっと空き家状態です。なので、当たり前ですが、泥棒でも居ない限り誰かが家の中にいる事はありません。
早速、久しぶりに別宅の鍵を開けて家の中に荷物が置けるスペースを確保、確認して、今度は夜中の荷物の下ろし作業を始めました。
友達がトラックの荷台に乗り、自分が下で荷物を受け取り、家の中に荷物を運び込む作業をしていました。
幼い頃からその別宅には、たまに泊まりに行ったり、山の方なので夏場は避暑地的な感覚で使用していました。
夏になると親戚が集まって皆んなで泊まる様な家だったので自分にとっては癒しの場所でした。
その別宅は、築60年位の古い2階建ての家です。
1人でひたすら家の中に荷物を運んでいると、上からドンドンドン、、と確実に動物ではない大人の足音みたいなのが聞こえて来たのです。
最初は泥棒でも居るのかと、2階に上がり、全ての部屋を確認してみましたが、もちろん誰も居ません。
隣に家もあるし、お隣さんには子供もいるので音が反響して伝わってきてるのな?とも思いました。
ただ、お隣さんをチラッと 確認した時に電気もついていないし、普通に考えて反響にしては、音が大きすぎるし、第一にこんな夜中に小さい子供達が起きていて、家中を走り回ってるなんて事もなかなか考えられません。
お隣さんは昔からの知り合いの方にでもありますし、教育をしっかりするタイプの人達なので、子供達のそんな行動を見逃すはずもないのです。
別宅の2階からは、ハッキリとミシミシ床が軋む音も聞こえるし、流石に自分の家とはいえ、段々と恐怖を感じる様になりました。
因みに自分もトラックの友達も若い頃は、そんな不思議な話や体験が大好きだったので、自分の住んでいる県や、隣県なんかの心霊スポットと呼ばれている場所には、毎日の様に肝試しの様な感じで行った事のない場所がないくらい頻繁に足を運んでいました。
なのである程度の知識と耐性はついていました。
それにしても、こんなにハッキリ足音が聞こえるのはおかしい!と思い、トラックに居た友達にも『ちょっと来てこの音聞いてみて!』と確認してもらいました。
最初は友達は、『え?全然足音なんてしないじゃん!』と言っていたのですが、次の瞬間にドドドドド!とまるで子供が走り回っている様にハッキリと大きな音が聞こえて、さすがの友達も『うわぁ!これはヤバい!』と鳥肌が止まらなくなっていました。
そんな状況ではあるものの、作業は終わらせないといけないので、色んな足音が鳴り響く中、恐る恐るも急ピッチで作業を終わらせました。
色んな心霊スポットに行って来て、様々な恐怖体験をしてきた自分達でも、ここまでハッキリした音や気配があった場所はありません。
その場所がまさか自分が幼い頃から大好きな家として遊んだり、止まったりしていた実家の別宅だとはショックでした。
不思議な事に昼間にその家に行っても、そこまで激しい現象は起きません。
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