元心霊ビデオスタッフの本当にあった怖い話
投稿者:とくのしん (65)
「何言ってるんですか!?早く逃げましょうよ!」
「いいからこい。早くこいよ」
「嫌ですよ!」
「こっちこいよ早くこいよこっちこいよこっちこっちこっち・・・」
その場で今井とカメラマンは察した。あぁ、村田はもう戻ってこないと。
二人は車まで戻り、急ぎ車を発車させた。須藤が「村田さん置いていくの?」と泣きながら訊いてきたが、無言のまま車を急発進させた。
次の日、高見に連絡し事の顛末を伝えた。高見は止められなかった責任を感じてかすぐに戻ってきた。高見と合流し、昼間に廃寺へと向かった。廃寺の中には、高見が村田に譲った数珠が散らばっていただけで、あとは何も残されていなかった。
高見はぽつりと「あぁ、村田さん連れて行かれたか」と呟いたのが妙に印象に残ったそうだ。
結局村田は戻ってこなかった。捜索願いを出し、近隣の山々を捜索してもらったが村田はついに見つからなかった。あの現場に同行したスタッフのほとんどがすぐに退職をし、残ったのは今井とカメラマンの加藤だけ。そして、生死不明ではあるが村田の遺作とも呼べる廃寺の映像は会社判断でお蔵入りとなってしまった。
「あれだけ怖い思いしたから世に出したかったんだけどね」
今井は村田のためにも作品としてリリースしたかったそうだ。だが、例の映像フィルムを保管した倉庫から妙な声がしたり、物音がしたりと怪奇現象が続いた。結局シリーズは村田の後任のプロデューサーが決まらず打ち切り。今井は村田の遺作を世に出せなかったことの自分の力不足を嘆いて退職した。
現在、今井は地元に帰り、知り合いのツテで運送会社に勤めた。
「日本各地に行くので、いつか村田さんに会える気がして。自分が立ち直れたのは村田さんのおかげでもあるので、もう一度会ってお礼を言いたい。あの人のことだからなんだかひょっこり現れそうなんだよね(笑)」
今井はいつか村田に会えることを信じて今日もトラックを運転する。
全部が本物だと思いレンタルしたことがショックでしたが怖かったです。
何処か違う世界で彷徨っていますよ。
製作者側の目線で進む話に引き込まれた
僧侶が悪霊化する事もあるのかとか、村田さんが連れて行かれたのはあの世とこの世の狭間なのかもとか色々想像を掻き立てられる
営業、運送、製造がブラックみたいな書き方は悲しいのでやめて欲しいです
読んでいて映像が浮かぶ話は面白いですね。
文章力が高いですね。
読み応えがありました。
文章力素晴らしいです。
思わず引き込まれてしまいました。
リアリティと臨場感あふれ、自分も廃寺の中にいるような思いにさせられました。
目には見えない時空間のひずみゆがみに呑み込まれてしまった・・・・・とでもいうのだろうか。
その場にいた、あったはずの人間や物質が、僅かな時間のうちに、または一瞬で、忽然と姿を消す。事件事故霊障怪奇に関わらず、実際起こっているのは実に不思議だよねぇ。
戻ってきて欲しいですね。
本当に怖いかったです。
投稿者です。いつもたくさんの怖いをありがとうございます。
みなさんのおかげで大賞を頂きました。これからもどうぞよろしくお願い致します。
臨場感がありました。
悪霊僧侶はダークギャザリングの邪経文大僧正のイメージで脳内再生された
村田さん…
心霊作品はそこそこ怖い想いができてあとくされないのが一番
霊障にあって人生ダメにするのは合理的でない
この方の作品は全部面白い。素晴らしい。プロのようだ!