誘拐事件として警察に届け出しましたが、できる限りの捜索してもらったものの見つかることはなく、結局妹の行方はそれ以来分からなくなりました。
父はあの日、妹を学校に行かせたことを今もとても後悔しています。
もし学校に行かせず、祖父の言う通りに家に閉じ込めていたら妹は今も無事でここで暮らしていたかもしれないのです。
私も父のように祖父の遺言を頭から信じなかったことを今は後悔しており、そしてあの日一番近くにいながらたった一人の妹を助けられなかったことを後悔しています。
あの神社は今も誰でも入れるように家の近くにありますが、私は恐ろしく感じて、あれ以来足を運ぶことはなくなりました。
何の因果か我が家は先祖代々あまり長く生きられない家系みたいです。
祖父の遺言はおそらく私たち家族を守るためにあったのだと思います。
その遺言があったにも関わらず、何もできなかったことが歯がゆいです。
父は今大きな建築会社の社長をしており、多くの財を築きました。
こうして私たちは運よく、今も裕福な生活を続けています。
でもそれが幸せとはどうしても思えません。
もしかしたら私たちの祖先は、なにか恐ろしい契約をし、私たちは呪いにかかっているのかもしれません。
今後祖父と同じようにいつか父が私たちに遺言書を残したときは、私は絶対にそれを信じて、今度こそ間違わずに家族を守りたいと思っています。
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