届かない声
投稿者:ねこじろう (150)
短編
2022/09/20
17:12
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「みたいだね。
まあどこかのアホが失恋でもして衝動的に飛び込んだんだろう。本当に死ぬ時くらいは、人に迷惑をかけないようにして欲しいもんだよ」
そう言ってマスターは困ったように白髪混じりの頭をポリポリ掻きながら、窓の外を見る。
俺も連られて右手にある窓を見た。既に時刻は夜10時を過ぎていたから外は真っ暗で、窓には店内の様子が反射して映りこんでいる。
ただおかしなことに、肝心の俺の姿が映ってなかった。
【了】
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もの悲しいな