危険なリサイクルショップ
投稿者:ねこじろう (147)
男女は全員、胸や局部など身体の最低限の部分を黒い布の下着で隠しているだけだ。
年齢は20歳くらいの若者から初老の者までバラバラだ。
皆暗い表情で俯き片手に黄色い用紙を一枚持っていて、
体重計に乗っている者もいれば、
身長を測ってもらっている者もいる。
また椅子に座って白衣姿の者と対面し、聴診器を当てられている者もいた。
─何だこれは?身体測定か何かか?
何気に見ていると、室内手前の方に見知った者が1人いることに気付き驚く。
俺が通っている大学の同期生、松山だ。
地方出身でアパート住まいの2回生で、最近は全くキャンパスで見かけていなかった。
黒い布パンツ一枚の松山はパイプ椅子に座っていて、その正面に座る若い女性スタッフから、なにやら説明らしきことを受けていた。
俺は耳に意識を集中する。
はっきりとは聞き取れなかったが、
「B、H の場合は800万円、L の場合なら、、」
と聞こえる。
車や家とかの、大きなモノを売ろうとしているのだろうか?
いや、松山にそんな資産らしきものがあるようには思えないのだが、、、
すると、
「番号札『C』のお客様、買取り査定が済みましたので、買取りカウンターまでお越しください」
店内アナウンスが耳に飛び込んできた。
俺はそっとドアを閉じると、なに食わぬ顔をして入口の方に向かって歩きだした。
「あーあ、締めて2,000円なりか、、、まあ、そんなもんか」
と一人ぼやきながら駐車場を歩き、車に乗り込んだ時だ。
突然、濃い青の大型ワゴン車が前を横切り、建物裏手の搬入口辺りで停車した。
車の側面には四角の中に【K】という、あのロゴがあった。恐らくショップの専用車だろう。
運転手が降り後方のドアのところまで走ると、ガラリとスライドさせて開ける。
すると搬入口奥の暗がりから、ぞろぞろと男女が現れると、次々にワゴン車に乗り込みだした。
皆白いガウンのようなのを着ている。
最後に乗ったのは、あの松山だった。
文章がとても上手なので、怖さの伝わり方が凄かった
怖い……
Kというリサイクルショップの名前が知りたい…