「よく見かける人」

これは私が今年になってから経験したことですが、未だに理由も分からずただただ不思議だと感じている体験談です。

それは出掛けた先で何度も同じ人に会うということ。

具体的にどんな内容かというと、初めてその人を見たのは母と一緒に行った飲食店でした。

その人は50代くらいの男性で、特に目立つ容姿ではなく中肉中背の人です。

飲食店で初めてその人を見た時は特に目にもとめず、ただ私たち親子の真横に座っていた人という感じでした。

カウンターで母と横に並んだ状態で座っていて、その男性は母の横に一人で座っていました。

唯一その人の特徴として、左側の頬に大き目のあざがありました。

その日は何もなく母とお店で別れて私は一人で住んでいるマンションへ、母は実家へと帰って行きました。

私は母とは仲が良く、今は一人暮らしですがよく一緒に色んな所に出掛けます。

それから1ヶ月後も経たないうちに、また母とランチをしによく行く回転ずしチェーン店に行きました。

私たちはボックス席ではなくカウンター席に並んで座ったのですが、母の横に座っていた人に何気なく目を向けると何処かで見覚えがある人が。

その人は少し前に飲み屋で見かけた顔にあざがある男性でした。

顔のあざが印象的だったので、パッと見てあの時の人だと分かりました。

2回目に見た時は「よく見かける人」くらいにしか思わなかったのですが、少しの期間で（3ヶ月間くらい）5回くらい見かけたのでさすがに気味が悪くなりました。

しかも、いつもその男性は一人で同じ服装、そしていつも母の横に座る形で私の目に入ってきたのです。

その男性とは目が合ったことはありませんが、いつも私が男性の顔にあるあざを見る形で見かけていて、そもそもなぜこんなに何度も他人であるあの男性に偶然会うのかが一番の不思議でした。

その男性に会った回数はほんの数ヶ月で10回くらいとなり、「これはもしかして自分にしか見えていない霊かも」とまで思うようになっていました。

未だにあの男性の正体は分からないままですが、見かけたのは数ヶ月間だけでなぜかその後はぱったりと見なくなりました。