かくれんぼ
投稿者:ぴ (414)
みゆきちゃんは「鬼が来た」って私に言いました。
そして「早く見つからないとまた鬼が来るよ」と言われました。
意味がくみ取れなくて困惑している私に、外から声がしたのです。
それはめぐちゃんが私を探している声でした。
私の名前をしきりに呼んでいたけど、なんだか出ていくのが恐ろしくて出られなかったのです。
そしたらみゆきちゃんが急にクローゼットをどんどん叩き始めました。
私は何をとち狂ったのかと恐怖の目でそっちを見ました。
「見―つけた」という声がして、クローゼットが開けられて、急に光が入ってきたのです。
あまりに甲高い声で、思わず悲鳴が洩れました。
見ると見知った顔があり、相手は鬼のめぐちゃんでした。
私はめぐちゃんに見つかったのです。
めぐちゃんは笑いながら私を捕まえていました。
かくれんぼをする直前の雰囲気は一切なくなって温和なめぐちゃんに戻っていました。
私は「あーあ、見つかったね」と隣のみゆきちゃんに笑いかけました。
だけど、そのときクローゼットの隣には誰もいなくて、私はぞっとしたものを感じました。
その後、親戚中の子供を探したけど、「みゆきちゃん」という子供はどこにもいなかったです。
気づいたらめぐちゃんもその場からいなくなっていました。
それからは何事もなく、私は両親と家に帰りました。
私が後で知った話ですが、あの洋館では随分昔ですが何度か神隠しにあったように子供が消えたことがあったらしいです。
私が見つけた情報の中には、その中に「みゆきちゃん」という子供はいませんでしたが、代わりに「恵ちゃん」って子はいました。
あのめぐちゃんと同一人物なのかは不明です。
ここからはただの想像になりますが、消えた子供たちの中にみゆきちゃんもめぐちゃんもいたんじゃないかと思うのです。
そしてまだ神隠しにあった子供たちはあの場で鬼から逃げ続けているのではないでしょうか。
めぐちゃんの存在が何だったのかは不明です。
ただ私はめぐちゃんに誘われて、かくれんぼに参加しました。
もしみゆきちゃんが助けてくれなかったら、私は同じように鬼に見つかって神隠しに遭っていたのではないかという可能性は捨てきれないのです。
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