白い影
投稿者:アイス (6)
短編
2022/09/12
04:17
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大学生の頃、実習が忙しくなり、半年間だけ、仲の良かった友人とアパートを借りて、ルームシェアをしていました。
ある日、友人が先にお風呂に入り、少しリビングでくつろいだ後、「もう寝るね」と自分の部屋に入っていきました。それからしばらくして私もお風呂に入り、お風呂を出たすぐのところにある、洗面台で髪の毛を乾かしていました。
洗面台のある脱衣所を出ると廊下があるのですが、その廊下に出る扉は閉めていなかったので、廊下は丸見えの状態でした。髪の毛を乾かしながら、横目に、廊下を玄関の方からリビングの方向へ、白いシルエットが通っていきました。
私は、友人がコンビニでも行って帰ってきたのだと、髪の毛を乾かしている最中に声をかけたらびっくりするだろうから声かけなかったんだと思い、そのまま髪の毛を乾かし続けました。
次の日の朝、友人が起きてくると、「昨日の夜、金縛りにあった」と言いました。私は、びっくりして、昨日見たことは言えず、「疲れてたんだね」と言うことしかできませんでした。
友人の部屋は、玄関を入って真っ直ぐ突き当りの位置にありました。今思えばですが、もしかしたらあのアパートは霊の通り道だったのかもしれません。通りすがりの家で、たまたま見つけた友人に霊が…と思うと今でも怖くなります。
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