風に乗り救急車を追いかける祖父
投稿者:アイス (6)
私が中学校3年生の時に祖父を亡くしました。この話は祖父が亡くなって一週間位の話です。
私はいつも通り部活を終えて、夕方5時過ぎに帰宅して
母は遅い帰りだったので、だいたい夕方6時位に帰宅する父と夕食でした。この日は父が、職場から生さんまを頂いて来て父が、自ら裁き刺身で食べました。とても美味しく二人で完食しました。その後に、2時間ほど経った後、私は妙な胸騒ぎを覚えました。その予感は的中しました。程なくして父が「具合悪い」と言って来てうずくまりました。私はそれを見て、すぐ119番に電話して、外に出てライトを持って振りながら待ちました。
その時は気が付かなかったのですが、あとから思い出せばいたのかもしれません。祖父が。
救急車が到着して、父が運ばれたのを見送る為に外に出ました。その時です。私の後ろからふぁ〜っと風が吹き、先ほどの気配がありました。亡くなった祖父が棺に入った時の格好で救急車を追いかける様に歩いて居ました。「じいちゃん?」と声を掛けましたが振り向いてはくれずに、祖父は救急車をひたすら追いかける様にふぁ〜っとした風のように向かって消えて行きました。
私は、亡くなった祖父に会えた嬉しさと父の容態の心配と複雑な気持ちが有りましたが、祖父はよほど心配だったのだと思いました。初めて亡くなった人にめぐり逢いました。声は聞こえませんでしたが、悲しい表情が確認出来ました。そのかいあってか父は助かりました。祖父が助けてくれたのだと思います。お墓参りをしようと思います。
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