聞いてた話と違う
投稿者:津々 (42)
私が地元の工場で働いていた時の話です。
私が勤めていた工場は炭鉱時代に建てられた古い工場で改築を重ねて使用していました。私は、仕事内容はとても気に入っていたのですが、建物が古く特にトイレがリフォームされてなく古いボットントイレ(汲み取り式トイレ)で嫌でした。なので、お昼休みまでトイレを我慢して近くのコンビニで買い物してから用を足す日々を送っていました。しかし、我慢が出来ない時があり使用するようになり慣れてしまいました。
そんなある日、トイレのあと鏡の前に立った時でした。私の肩を「ポンポン」と叩かれた感じがしたので、すぐに振り向きましたが誰も居ませんでした。その事を先輩たちに話すと「ワラシちゃんに会えたんだね」といわれました。ワラシちゃんとは座敷童の事で昔から女子トイレに現れるそうです。ワラシちゃんに会ったからといっていい事は特に起こらないそうなんですが、私は会社の一員として認められた感じがしました。
それから、私がトイレを使用すると高確率でワラシちゃんの気配がするようになり、肩を叩かれたり視界に少し入ったりと気になる事が増えました。それでも、私は「座敷童なんだし何回も合えばいいことあるかも」とプラスに考えていました。
数日後、またトイレで肩を叩かれました。私はいつものように「どうせ誰も居ないんでしょ」と思って振り返ると、そこには顔が赤黒く目を見開き大きな口を開けているおじさんが立っていました。私は悲鳴を上げて間もなく気を失いました。いまでも、あのおじさんが脳裏に張り付いていて大きく開けた口がパクパクと動き「ミエテル?」と動いていた気がします。みんなはあの現象を座敷童だと思っているようですが、実際姿を見た私は恐怖で一杯になり会社を辞めました。
ふざけた親父ですね。