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心霊

もりのくまおさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

やってはいけない連想ゲーム
短編 2022/09/04 03:25 2,384view
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 若者が夜集まって、部屋でだらだら酒を飲むとき、話題は実に限られるものだ。
多くの場合、世間話→異性の話(いわゆるコイバナ?)→怖い話→解散、のパターン。

 その夜は、他に誰もいない大学の学生会館にある宿泊室を勝手に借りて、私たちは6人で
酒を飲んでいた。
 
 その大学なのだが、70年安保による学生運動が盛んな頃、一部の過激な学生たちは
革マル派、民青同盟、中核派に分かれて毎日のように学校内で集会やデモを繰り返して
いたという歴史がある。派閥間では流血事件も起こり、一説では60‐70年にかけ約10人が
内ゲバなどで死亡したと言われている。しかしどの殺人事件も公にはされておらず、
公安委員会の陰謀説も流れるというおよそ学び舎と呼ぶには程遠い環境だったらしい。

 そして時は経ち、なーんにも考えていないばか者、いや若者であった私たちは、
日本の将来を語ることも、マルクスがどうのという小難しい話も、戦争反対の熱い思いも
何もなく、ただひたすらにバカ話をしてへらへら笑って一夜を過ごしていた。

さて宴もたけなわとなり後は惰性で飲むだろうと思い始めた時、私の後輩がちょっと
おもしろいゲームがあるからやってみよう、と切り出した。

 そのルールは、
① 出題者が厚紙に「記号」または「4桁の数字」のどちらかを書く。
② 紙を伏せて、見えないように隠す。
③ 回答者はその紙の上に手を乗せて、瞑想する。
④ 瞑想中に頭の中に映し出されるヴィジョンを言葉で説明する。

⑤ そのヴィジョンから、紙に何が書いてあるかを当てる。  というもの。

 まずは後輩のWくんが回答者になったが、「なんも見えへん」とすぐに諦め、まさに
身も蓋もない結果になった。

 次は私が回答者になり、先輩のOさんが4桁の数字を書いた。
私は目を閉じ、紙に手を置いて瞑想するふりをした。やっぱりWくんと同じで何も
見えない。しかし、何となく「この数字じゃないかな?」というものが見えた気がした。
「6919かなぁ?」
するとOさんは驚いたような口ぶりで「びっくりしたなぁ!」という。
答えは「1969」だった。私はこれはまぐれだったと今でも思っている。
 
 次は先輩のKさん。私が記号を書き、Kさんが目を閉じて紙に手を置いた。
するとすぐに、こう話し出した。

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