不審者にはご注意を
投稿者:賢二theレインボー (1)
仕事で帰りが遅くなった時の事です。
普段通勤に使っている道ですが夜10時を超えれば極端に人通りが減ってしまうので、その日は月も出ていないせいか夜道は暗闇と静寂に包まれていました。
往々にして小型のバイクや自転車は見かけますが、それも一瞬で通り過ぎる為、殆ど人の有難味というものは感じません。
線路沿いを抜けると高架下に設けられた少し長いトンネルがあるのですが、そこはオレンジ色の照明が内部を照らすだけで頼りない光源でした。
少し気味悪さが漂ったくたびれたトンネルへと踏み入ります。
すると、コツコツ。
そんな靴音が反響して聞こえてきましたが、これは一人分だった事から自分のものだとすぐに分かりました。
コツコツ。コッコッ。
しかし、暫く歩いた後に改めて意識して聞けば、自分の靴音に混じってもう一つ別の靴音が聞こえてきました。
勘違いと思って耳を澄ませながら歩いてみましたが、やはり「コッ、コッ」と明らかに別の靴音が自分の靴音に被る様にして聞こえるのです。
そう言えば、不審者は標的に気付かれない様に歩き方を真似て地面に靴がつくタイミングを合わせる聞いた事があります。
もしかしてこの被せる様な靴音は自分を突け狙う不審者なのではと勘繰り、少し歩幅を広げて早歩きになってみました。
コツコツコツコツ。
コッコッコッコッ。
同じリズムで刻まれるもう一つの靴音。
これはどう考えても歩調を合わせて尾行していると思い、一瞬の内に立ち止まっては振り返ってやりました。
しかし、背後には誰も居なかったのです。
おかしい。
先ほどまで聞こえていたのに、あの音は気のせいだったのだろうか。
自分の感覚を疑いながらも再び歩きは始めると、やはりもう一つの靴音が揃って聞こえます。
一体何が目的で尾行しているのか分からず、気づけば冷や汗が噴き出して恐怖心で思考が混線し始めました。
そんな時、もう少しでトンネルの出口だと思った矢先、靴音は「ココココココ」と明らかに競歩の様な刻み方になって接近してくるのです。
こっちも走れば済む、そう考えてはいたものの、恐怖から足が竦んで走る事が出来ずにいたせいか、その靴音は一気に間合い詰めるとすぐ後ろで止まり、肩に手を置いて引き寄せてきました。
無理矢理振り返らされた先には、この時期に膝下までを隠す厚手のコートを着用した男が立っており、中年ほどに見える皺を刻んだ顔をニヤリと歪ませます。
そして次の瞬間、その男は両手でコートを広げると、コートの下に何も着ていないのか全裸の肉体を見せてきました。
「きゃああああああああ」
男の生まれたままの姿、そして元気な姿の股間を見て思わず声を上げてしまうと、男は愉悦たっぷりに滲ませた笑みを浮かべて鼻息を荒くします。
しかし、途端に男の表情の雲行きが怪しくなったと思えば、男は腰が引けた様に後退るのです。
このままでは逃げられてしまうと思い、勇気を振り絞って「ちょっと!」と男の腕を掴んでやると、男は「ひぃぃぃぃごめんなさいごめんなさい!」と何故か両手で頭を抱え込む様に跪いて必死に謝罪を始めました。
何をそんな怯えているのかと思っていましたが、ふとある事を思い出して納得しました。
霊よりこえーよw
休憩(意味深)
素敵な出会いの話だった
何が怖いって本当にこういう人いるからね
再会しないであげて
トゥルーラヴ
昔始発電車乗った時、めちゃデカい女装したおじさんに執拗に話しかけられてしばらく付き纏われたの思い出しました
↑怖いwww
夏場は、露室魔って、地域によって、多数、出没しますよね。
人間が一番怖いってのは本当だな
ハッテンすると良いですね
↑だれうま
いい話じゃないの。投稿者さんに素敵な出会いがありますことを祈ります。
わろたwww
怖い話の合間の小休止的な感じなら効果的でしょうし良いと思うのですが、こういった作品が上位に来てしまうのは違和感を覚えてしまいますね。真面目に怖い話を投稿している人も意気阻喪してしまう気もします。
別に面白いんだから評価されていいと思うが…
読む人が決めればいい話
窮屈なこと言ってたらそれこそ昔の洒落怖みたいに誰も投稿しなくなっちゃいそう
投稿者さんのほうが相手にとったら怖い話だったというオチ(笑)
これはこれで好きです!
奇跡の再会を祈っています。がんばれ〜!