知らない子供たち
投稿者:ぴ (414)
私は図書館で働いていたことがあります。
職場環境が非常に悪いところで、毎日ストレスに苦しんでいました。
職場の人ともまともにしゃべれず、いつも内に籠っていました。
そんなときに図書館で知らない子供たちに会ったのです。
図書館に子供が来ることは何も珍しいことではありません。
夏休みになると毎日涼みに来ていたし、学校終わりに勉強しに来る子たちもいました。
だけどその子供たちは図書館が開くもっと早くにいつもいて本を読んでいるのです。
女の子と男の子の姉弟みたいでしたが、私はてっきり誰か職員の子供なんだと思い込んでいました。
人間関係の折り合いが悪かったため、なかなかほかの職員に聞けずにいたのですが、ある日あまりに気になって、尋ねてみたのです。
そしたら職員の一人に「そんな子供なんて見たことない」と冷たく言われてしまいました。
けれどやっぱり翌日もその翌日も二人の姉弟は席に座って本を読んでいます。
私は本人たちに聞くのが早いと思って、声をかけてみました。
私が話しかけると、子供たちは一斉にこっちを向きました。
そして二人でこそこそ何かを話し始めます。
私が「あなたたちはどこの子?」と聞いたら笑われました。
そして「知らなーい」と言って走っていきました。
最初は質が悪いと思ったのです。
私と折り合いが悪い職員の子供だと勘違いしていた私は子供達にまで馬鹿にされたと思いました。
私が納得できないことでこっぴどく怒られた日、落ち込んでいるとトイレであの子供たちに会いました。
そして弟のほうが近づいてきて、「仕返ししてあげようか?」と言われたのです。
私はびっくりしたけど、やっぱり新手の嫌がらせかと思いました。
だから「勝手にして」と言ったのです。
にやっと男の子は笑った気がしました。
翌日、私と折り合いが悪い職員が帰宅途中に事故に逢いました。
骨折して半年以上仕事を休むことになったのです。
その翌日は私によく怒鳴る職員が離婚することになり、仕事を辞めました。
何かの天罰かと思いました。
それをきっかけに私は転職活動を始めて、図書館よりもずっといい職場に転職することに成功しました。
あの子供たちはそれ以降も転職するまでの間、図書館で何度か見かけました。
でも私は二人を避けたし、声をかけなかったです。
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