蠢く虫たちの呪い
投稿者:ぴ (414)
私は公園で、奇妙なものを見つけたことがあります。
公園に木箱が1つ落ちていたのです。
私が先に拾い上げました。
正方形の使い古されたような木箱で、私は目を白黒させてそれを見つめました。
けれど公園に一緒に来ていた友達の一人に、横からその木箱を搔っ攫われたのです。
自分が見つけたものなので本当は返して欲しかったけど、その子には逆らえず、しぶしぶ木箱を譲りました。
でも譲って良かったのです。
その子が木箱を揺すってみると何か中からブチブチっというような鈍い音がしました。
その子が力の限りその木箱を揺すっていると、まるで木箱が限界を迎えたように、脆く崩れました。
そして中からぼたぼたっと何かが落ちてきたのです。
それらが落ちた地面を見たらそれは蠢く虫でした。
その木箱には無数のいろんな虫が閉じ込められていたみたいで、落ちたその虫たちが地面で蠢いていたのです。
あまりの気持ち悪さに、私を含めてそれを見ていたみんなドン引きでした。
木箱を持っていた友達はいくつか虫に接触してしまったらしく、キャーキャー言っていました。
そして翌日、私から木箱を取り上げた友達が大きな交通事故にあって、重体になっていると聞きました。
その後なんとか一命はとりとめたのですが、車いす生活になりました。
交通事故の原因は「虫」だといいます。
交通事故の原因を聞かれ、車の正面ガラスに大きな虫が飛んできて、一時的に前が見えなくなったとその子の両親は話したそうです。
子供の言い訳じみた話ですよね。
町の人たちは「クスリでもやってたんじゃないか」と疑いましたが、私はそうじゃなく、あの木箱の蠢く虫を思い出しました。
あの日、あの木箱を開けたのが私だったら、その呪いで今頃私が車椅子だったかもしれません。
すごく申し訳ないけど、その子が私から取り上げてくれて良かったと思いました。
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