「気づいてるよ」

私たちは、その写真を見て絶叫しました。なぜなら、この封筒をベンチ裏に張ったのはＢに間違いないからです。

そして、私たちに尾行されている事にも、いつの段階かは分かりませんが気付いていたことになります。

そんな事が頭を駆け巡っていると写真の当事者である部員は顔面蒼白で立ち尽くしていました。

部員の誰かが「これって呪いじゃね？」といったことで、みんな口々に「あの部屋の感じからして可能性大だよね」「どのレベルの呪い？死ぬ系？」と話していると写真の部員はより一層に顔面蒼白になりＢの話は止めました。

翌日、写真の部員は高熱を出して学校を休みました。

精神的にやられたのか本当に呪われてしまったのかは分かりません。

写真の部員は数日休みましたが、元気に登校してきました。しかし、担任の先生は生徒にわいせつな行為をしていたことが発覚し解雇に合い、目立つクラスメイトは万引きなどを常習的に行っていたみたいで逮捕され卒業しても戻ってくることはありませんでした。

そして、Ｂの両親なのですが、Ｂが３年生の頃に両親とも交通事故で亡くなりました。

なので、その後は親戚の家に住むことになり転校していきました。

私たちは、あの日以来廃墟には行っていないしＢを問い詰める事もしていません。なので、本当に呪いなのかたまたまの偶然なのかは分かりません。

数年後、私たちの中学校の時の部活会があり例の写真の部員にあの時の事を聞きました。

すると部員は「実は俺、Ｂと廊下でぶつかったことがあって」と言い出しました。

私たちは「それで、それで」と話を急かします。

部員「Ｂの方も見ないで、ごめん。気付かなかったわ。って言ったことがあって、その時のＢの顔がすっごい怒ってて…」と話してくれました。

私たちの勝手な解釈ですが、部員はその事を根に持たれてしまい謎の呪いの儀式を掛けられたのだと思いました。

本当に呪いだとしたら、担任やクラスメイトはＢに何をしたのでしょうか？どうして命は無事だったのでしょうか？そして両親は死んでしまいました。

私が大人になってから聞いたウワサでは父親は家庭内暴力が酷く母親はネグレクトでＢはグレてしまったそうです。

もしそれが原因で呪いをかけたとしたら…と考えるとゾッとします。