「気づいてるよ」
投稿者:津々 (42)
廃墟内は外観に比べると中はわりと綺麗な感じでした。
ですが、薄気味悪く本当に怖い雰囲気でした。
私たちは数人で入っても怖いのにBは一人でここに来ているという事も恐怖を感じました。
なので私は、「中で誰かと待ち合わせしてるんじゃない?」と部員に話しましたが、「外に自電車もB以外に止まってないし、それはないんじゃない?」といわれ納得しました。
Bは廃墟の中をぐるぐる歩き、ある部屋に入って行きました。
私たちは、その部屋をこっそり覗いてみました。
するとその部屋は、壁全てに白い布を張り床には星のマーク(五芒星?)が書いてました。
まるで何かの儀式でもするような感じで星の上にはロウソクが置かれていました。
私たちは、あまりにビックリしてしまい声を出してしまいそうになりましたが、必死にこらえ部屋の中を覗き続けました。
するとBは、よくわからない言葉で呪文のようなものを唱え始めました。
そして、ロウソクに火を1本ずつ付けていき部屋の中が明るくなっていきました。
部屋が明るくなると、先程まで見えていなかったものが見えてきました。
それは、Bの両親の写真でした。そして、その他にも担任の写真やクラスで目立っている人の写真、一番驚いたのは今この場所にいる部員の写真まであるのです。
私たちは何事か分からないまま、「絶対にBに見つかったらマズいと思い」廃墟から脱出し急いでいつもの公園に戻りました。
その帰り道、あの部屋に写真を張られていた部員は「何あれ。呪いかなんか?」ととても怯えていました。
そして何事もなく公園に着きました。
私たちは公園で、さっきの状況を話し合いました。
「写真の相手に呪いをかけていたのか?」「なんで自分の両親に呪いを?」「担任とか○○(クラスの目立つ奴)はBに何かしたのか?」話していましたが、一番は「部員はBに何かしたのか」が気になり部員に話を聞きました。
しかし部員は「何も知らないし、関わったこともない」というのです。
たしかにBと部員は違うクラスだし接点もありません。
なのに変な儀式?の対象になるのは何でかと話し合いましたが、結論は出ないままでした。
次の日も公園に行き、いつものベンチで話をしていると膝の裏に何かが当たることに気付きました。
私はそれを触ると紙だとわかりました。
紙を触っているうちに“ポロ”っと紙が剥がれました。
剥がれた紙は封筒でした。私たちは「なんだこれ!?」とビビりました。
そして、私たちは封筒の中を見る事にしました。
私がじゃんけんで負けてしまい封筒を開けることになりました。そして、恐る恐る封筒を開けると中には紙と写真が入っていました。
紙には「気づいてるよ」と書かれていました。私たちはビビりまくりました。
そして、写真を撮り出してみると…昨晩、廃墟に張ってあった部員の写真でした。
しかも、顔の部分はバツ印で削られていました。
自電車? 自転車のこと?