祖母の予言
投稿者:maya (6)
短編
2022/06/24
07:16
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10年ほど前の6月に亡くなった私の祖母の話です。私の祖母は霊感など一切ない人でした。そしてお化けや幽霊などの話も大嫌いでした。
そんな祖母が末期がんでもう余命が幾ばくもない、となった時です。「6月はね、3人も亡くなったの…」とぽつりとつぶやいたのです。
そんな情報なんてどこにもありませんし、まだ6月も半分くらいはあったと思います。何を根拠に言ったのか分からず、結局は意識の混濁や痛み止めのモルヒネの影響だろうということになりました。
この病院はナースステーションの前に3つ個室があり、そこには容体が良くない人や祖母のようにいつ亡くなってもおかしくない人が入っていました。
ナースステーションに近い方が深刻度が高い人の部屋になります。
入院当初、3番目(一番遠い)の部屋だった祖母ですが、この発言の時には1番目と2番目の部屋に入院していた方が既に亡くなっており、1番目の部屋になっていました。
まさか…一瞬私の脳裏に考えたくないことがよぎりました。でも人の命は最後まで分かりません。このことは努めて忘れるようにしました。
6月30日の夜、祖母は亡くなりました。
本当に祖母が言った通り『6月に亡くなった方は3人』になったのです。
偶然なのか、祖母の最後の予言なのか…今でも思い出すと不思議で少し鳥肌が立ちます。
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予言というより予感?3つの個室に自分と他の人が入っているし、余命宣告うけているか人たちがその個室にいるわけですよね?