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不思議体験

mayaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

不吉な月極駐車場を借りたら
長編 2022/09/28 23:22 3,082view

今から数年前、私は神奈川県の自宅から都内の会社に通勤することになりました。私が住んでいた自宅は最寄り駅まで車で片道約30分かかる場所にありました。
そのため車通勤で最寄り駅まで向かい、最寄り駅から電車に乗って都内へ向かうことになりました。

そして私は、神奈川県某市の駅前にある月極駐車場と契約することになりました。契約するために月極駐車場に行くと、
駐車場が定員でいっぱいの状態であることがわかりました。しかし運良く一つだけ駐車場があいていることがわかりました。

その駐車場のナンバーは444でした。契約を担当してくれたおじさんの話によると、444というナンバーは4が続いていて不吉なので
誰も契約したがらないということでした。私は4が続いていようが別に怖いと思いませんでしたし、月極駐車場と契約できるのならばなんでもよいと思ったのでそのまま契約することになりました。

こうして444ナンバーの月極駐車場に毎朝自分の車を停めにいく生活が始まりました。最初のうちは特に何も問題ありませんでした。
たまに会社の残業で遅くなり、駐車場に24時を越えて到着することもありましたが、お化けの類に遭遇することもありませんでした。

しかし月極駐車場を契約して半年ほど経ったときに、私はたまに不思議な夢を見るようになりました。夢の中で私が車を運転しているのですが、後ろから何かが迫ってきているような気がするのです。しかし後ろから何が追いかけてきているのかを、私は知ることができません。しかし追いつかれると大変なことになるとわかっているので一生懸命に逃げようとしているのです。そしてとうとう追いかけきているものの正体が分からないまま目が覚めるのでした。

私は昔から予知夢のようなものを見ることがありました。親戚の人が亡くなる数日前に、その人が夢に出てきて何かを訴えかけてきたりということがありました。しかし今回見る夢は誰か知っている人が出てくるのではなく、誰だか分からないものから逃げている夢なので怖くなってきました。そうしてその夢を見るようになってから、数ヶ月が過ぎたのでした。

そしてまた何かから逃げている夢を見て起きたある日、私の首がかなり痛くなっていました。どうやら寝違えたようでした。私は日頃寝違えることがないので、なんで急に寝違えてしまったのかと少し苛立っていました。なぜならこの後に車を運転しなくてはならないからです。首が痛いので車を運転するのが嫌だなと思いましたが、そんな理由で休むことはできないので車に乗って会社に向かうことにしました。

この日は仕事が忙しく、契約している月極駐車場に着いたときには25時を過ぎていました。私はヘトヘトになっていたので早く自宅に帰りたいと思っていました。
そしていつも通りに月極駐車場に停めてある車に乗ると運転を始めました。車を運転していると、朝寝違えた首がかなり痛くなってきていることに気がつきました。首が痛くてイライラしてきた私は、早く家に帰って眠りたいと思いました。そうして運転していくうちに、いつも利用している道にトラックがたくさん走っていることに気がつきました。いつもは大体20時くらいに道を走るのですが、そのときは自家用車が多く走っています。しかし25時を過ぎていつもの道を利用すると、トラックがたくさん走っていることに気がつきました。深夜のせいなのか、多くのトラックがかなりスピードを出しています。巨大な塊がビュンビュンスピードを出している側を、小さな自家用車で走ることに恐怖を感じました。

しかしこの道を走らないと自宅には帰れないのです。仕方がないので頑張って運転してさっさと通り過ぎようと思いました。そうして寝違えた痛い首に悩まされながら運転を続けていくと、あと10分ほど車を走らせれば自宅に帰れるところまで来ていました。そして信号が赤になったので私は車を停めて青信号になるのを待つことにしました。そのときです、車の前方にあるルームミラーに、後ろを走るトラックがどんどん近づいてくる姿が映っていました。

私は最初、トラックが車間距離を詰め過ぎているからルームミラーに大きく映っているだけだろうと考えていました。しかしその甘い考えは、すぐに打ち消さなければならなくなりました。なんと私の車の後ろを走っていたトラックは、フラフラと蛇行運転をしながら私の車にドンドン近づいてきていたのです。私は車を出発させてトラックから離れたいと思いましたが、赤信号で停まっていたので前にも横にも車が停車している状態でどこにも逃げられませんでした。

そうして逃げたいのに逃げられないという焦りと、寝違えた首がすごく痛くなってきたときに物凄い音がしました
「ドーン!!!!」
物凄い衝撃が走り車全体が揺れました。

気が付くと私の車は後ろのトラックに追突されていました。
そのときには信号が青になっていたので、周囲の車はどんどん走り始めていました。
まるで何事もなかったかのように。

そしてクラクラした頭を押さえながら、私はすぐ近くにあったコンビニの駐車場に車を停めました。
そうして車から降りて自分の車の後部を見ると、後部座敷の方までペシャンコになっていました。

とんでもないことになったと思っていると、私の車にトラックをぶつけてきた運転手もコンビニの駐車場にトラックを停めて
降りてきました。そうして事故を起こしたばかりだというのに全然悪びれない態度で話しかけてきました。
「ごめんごめん。自分の後ろを走っていたトラックが蛇行運転をしていて、突っ込まれそうで怖かったんだ。それで後ろばかり見ていたら前の車に
自分が突っ込んじゃったみたい」
話を聞くと、このトラックの運転手はトラックで交通事故を何回か起こしたことがあるようでした。そうして慣れた様子で警察を呼び始めました。

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コメント(1)
  • 日本人は、とかく縁起をかつぎますね。

    2023/09/02/11:19

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