俺は当然びっくりしましたが、俺はどうにかして何故そっちに行ってしまったか知りたくて、怖いのを我慢して会話をつづけたんです
『何故そっちに行ってしまったんだ? 前から壁に話しかけていたけどさ。こっちにいるわけにはいかなかったのか』
そうすると、少し間があって、
『元々、みんなこっちの住人だから。君こそ何故まだそっちにいる? こっちにこいよ』
その言葉が終わるか終わらないかで壁から手が伸びてきた。俺はうわああと叫んで家から飛び出した。それから帰っていません。今でも壁側が怖いです」
ここで俺の怖い話が終わった
しばらくしーんとした後、主催者さんの拍手が響いた
「いやー。なかなか怖い話でしたねー。最後にふさわしい話でした」
主催者さんの拍手につられて他のみんなも俺に拍手をした
「いや・・・全然です。もったいないです」
と、俺は言葉では謙虚なことを言ったが、心の中で俺はガッツポーズをしていた
よし。一矢報いたぞ
俺は家に帰る途中もご満悦だった
いやー。何もない状態からよくあそこまで怖い話を作ることができたものだ
火事場の馬鹿力ってやつだな
当然、すべて作り話だ
どれも真実ではない
壁に引き込まれそうになったことはないし
壁から声もしたこともないし
A君なんて小学生の頃のクラスメイトはいないし
同窓会だって開かれたことはない
唯一、B君という子がいたのは事実だが、それ以外は完全に創作だ
それを話をしながら創作できるとは、俺って作家とか向いているんじゃないだろうか
一仕事終えた俺は家に帰って夕食を食べていると、電話がかかってきた
知らない番号だった
「はい。○○ですが」
「おう! ○○か。久しぶりだな。俺だよ。Bだよ!」
「えっ? B?」
俺は驚いてしまった
別にB君は実在する人物なのだがら、電話がかかってきても驚くことではないのだが、
あまりのタイミングだったので驚いてしまった
























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