行きつけのバー
投稿者:八尺マン (46)
短編
2022/06/11
13:53
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というより、なんで体調を崩してまで行きたかったのか、まるで洗脳が解けたようでした
それから3ヶ月ほどして決して中には入らないと決めて、あのバーを探してみましたが、どこを探しても見つかりませんでした
あんなに通っていたのに、どこにあったか思い出せないのです
それだけではありません
あのお店にいたマスターや常連の人たち
どんな顔だったかどんな会話をしたか
まったく思い出せないのです
まるで夢でも見ていたかのようです
いや、そんなはずはありません
私は確かにあの店に行っていたはずです
証拠は・・・
そうだ! 写真!
私は初めてあの店に行った時に、記念で写真を撮っていました
スマホのデータを調べてみると、その写真がありました
私はその写真を見て震えあがりました
私はバーの店内を撮りました
カウンター席とマスターが写っているはずです
しかし、その写真にはボロボロの廃墟しか写っていませんでした
テーブルや椅子の残骸があちこちに散乱していて、天井の板が崩れて落ちていました
決してきれいなバーではありませんでしたが、こんな状態では絶対になかったです
しかし、怖かったのはそこではありません
カウンター奥
そこに写っているはずのマスターの姿はありませんでした
代わりに一人の女が立っていました
その女は全身血まみれで、じっとこちらを見つめていました
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