正月の集まり
投稿者:八尺マン (46)
ずっと喋りながらテキパキと働いていた
まあ、そんなこんなで食事の準備は出来て、50人を超える人数で大宴会が開かれた。おばあちゃんは相変わらず元気そうで、特に問題なく終わった
問題が起きたのは、正月が終わった後だった
いや、問題が発覚したのはというべきか
俺たち家族は1/4の昼に父さんが運転する車で家に戻っていた
「いや、しかし、いつも思うが、すごい人数だったな。あれだけの人数が集まる正月なんて今時かなり珍しいぞ」
父さんが運転しながら話をしだした
「そうね。参加率も高いからねー。毎回、大騒ぎね」
「いまだにどういう人かわからない人もいるしな。そういえば、途中で来たすごい元気なあのおばさんはどういった関係の人なんだ? 俺、初めて会ったけど」
すぐにあの人のことを言っているのがわかった
それだけあの人の元気さは目立っていた
「あー。それがね。私もよく知らないの。多分、うちの兄弟の誰かの関係だと思うんだけど」
どうやら母さんも知らない人らしい
「そうなのか。まあ、お前は早い内に家を出て上京したんだったもんな。知らない人がいても仕方ないか」
「そうねー。ちょっと兄さんに聞いてみるね。兄さんはずっとあっちにいるし、誰よりも把握しているから」
そう言って母さんはスマホを取り出してメールをしだした
少しして、
「あっ。返事きたわ。えー。・・ん?」
母さんの顔が少し曇った
「どうしたの?」
「・・・うん。それが兄さんも知らないみたい。あっちは俺のこと知っているみたいだったから、『どちら様ですか』とは言いづらくて、その場では知っているように取り繕ってしまったけどって・・・」
「そうなのか。かなり遠縁の方なのかな?」
「多分・・・。気になるから、おじさんの方で他の人に聞いてみるって」
ここで会話はひとまず終わったが、何か変な空気になった
香典泥棒みたいな類の。