「うわああっ!」
衝動的に出た雄叫びを上げ、松原さんは箸を叩きつける様に皿に突き付けた。
鈍い音がし箸の一方が折れる。
もう一方の箸は目玉を貫いていた。
その瞬間。
「ぎゃああああっ!!」
二階から凄まじい悲鳴が響いた。
松原さんの兄の部屋からだ。
ハッとして我に返った彼は急いで階段を駆け上がり兄の部屋のドアを開けた。
すると、部屋の中央で兄が悶え苦しむ様にのたまわっていた。
異常を察した松原さんは急いで救急車を呼んだ。
以上が松原さんが体験した話だ。
その後、兄は病院に運ばれ診てくれた医者からはこんな事を言われたという。
「左目が潰れています……失明は免れないでしょう……」
そして、治療を受けベッドに寝かされれた兄にもこんな事を言われた。
「あの魚、お前が食ったのか……?」
「あ、ああ……」
「そうか……」
それだけ言うと、松原さんの兄は顔を伏せ押し黙ってしまった。
今現在、彼は退院した兄と共に暮らしているが、以前よりも兄と話す事はなくなり、気まづい二人暮しを続けているという。
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