手形のある家

千葉県のある一戸建て借家に住んでいた時のお話です。

その家は築57年のわりに、内装・外装ともに綺麗で立派な和風の家でした。
駐車場、庭付き、ペットOK、部屋数も十分、家賃は格安！

貸主との直接取引でしたが、これらの好条件に私ども夫婦は即決しました。
1階には広めの和室があり、そこを当初寝室にしました。

住み始めてから3日目のこと。

朝、気持ちよく目覚めた私が何気なく天井を見上げると…そこには無数の手形がびっしり！
あまりにもびっくりして私は叫んでしまいました。

木製の天井に、子供サイズの手形が数えられる形のもので計27個。
怖くなった私はすぐに旦那を呼び、和室内をチェックすることにしました。

すると、押入れの中に謎の大きな穴があるのを発見…。
ちょうど子供が1人入れるくらいの大きさです。中は真っ暗でどこに繋がっているのかも全く見えません。

暗い穴からは湿気と冷たい空気が流れていました。
不安に襲われる私をよそに、旦那は「きっとこの手形は貸主のお子さんがジャンプして付けたものだよ。穴はよくわからない。」と言うので、私も気にしないことにしました。

そんなある日。

一人、夜中に1階リビングで仕事の資料整理をしていると…突然！

「ガタガタガタガタ！っガタガタガタガタガタガタガタガタガタ！！！」

ものすごい騒音が鳴り響き、約1分半の間それは続きました。
近所迷惑になるほどの大きな音で、まるで横開きの木製ドアをだれかが揺らしているような音でした。

外から聞こえてくる音ではなく、すぐ隣の和室から聞こえる音でした。

あまりにも怖くて、私は一切和室に近づくことが出来ませんでした。

翌日旦那にこのことを伝えると、なんと旦那も別の日に同じ騒音を聞いたと言うのです！
旦那が夜一人で留守番をしている時に、リビングからこの音を聞いたそうです。

明らかに和室から聞こえてくる音なので、彼は和室を見に行きました…。
すると音は確実に和室ドアから出ているのに、一切ドアは揺れていなかったそうです。

押入れの中もチェックしたそうですが、何も異変はなく音は止まずに原因は見つけられなかったそうです。

この出来事を旦那は今でも「必ず原因はあるはずだ。」と言いますが、今だに分かっていません。

ちなみに引っ越した次の家でも、当初和室に数個の手形を見つけました。
神棚を置かせていただいたところ、その手形は消えて行きました…。

職場の仲間からは「引っ越し先にも、幽霊も連れて行っちゃったんじゃないの〜？笑」と言われましたが、あながちそうかもしません…。