作り話
投稿者:とくのしん (65)
教師立ち合いの下、Mは警察の事情聴取を受ける。
凄い悪いことをしたみたいな気持ちになって犯人ってこういう気持ちなのかと思ったそうな。
すると廃屋裏手の奥の方で「いたぞー!」と声がした。
事情聴取は一時中断してMも向かってみるとAが倒れていた。殺された!とMは思い大泣きしたそうだが、見つけたおっさんは「大丈夫!生きてる生きてる!」と声をあげた。
それを聞いてMは安堵したそうで、嬉しさから大泣きしてAの名前を呼んだ。
全く反応がなく、おっさんや教師が必至にAの名前を呼んだ。Mも必死にAの名前を呼び続けていると、突如Aは目をカッと大きく開けた。
その瞬間Mは凍りついた。
見開いたAの眼は男と同じロンパリになっていたからだ。
Aをよく知る教師たちも固まっていたそうだ。
Aを全くしらないおっさん連中は、良かった良かったとAをポンポンと叩いていたが、その眼の異様さにMたちは何も言えなかったそうだ。
警官が「意識が戻ったみたいですけど、念のため救急車を手配したので病院へ」と告げてからもAは目を見開いたまま動かなかった。
おっさん連中もそのAの様子に異様さを感じたのか、口数が少なくなっていった。
救急隊が到着し、Aの容態を確かめる。無反応な様子に救急隊が担架に乗せてAを運ぼうとしたとき、
「ん゛――――!!!!!!!!!!!」
とあの男が発したような叫び声をAが発した。
赤ん坊のように手足をバタバタさせて叫び続けた。
Mは言った。
「Aには大きな怪我もなかったから大きな事件にはならなかったけど、Aはおかしくなったんだと思う。現にあれ以来学校こなくなっただろ?実は先生にAのことは絶対に言うなって口止めされていたんだよ。
誰かに話したかったけど、口止め云々よりもとにかく怖くて言えなかった。話したらあの男が現れそうな気がしたし、Aと同じ目にあうんじゃないかって思ってさ。」
「Aがさ、捕まる前に“作り話なのに”といったけどさ、あのときのAはすげぇ必死だったし、思いが現実になるとかそういうのってあるのかね?それとも本当に新井さんはいたのか。今となってはあれが幽霊だったのかただのキチガイだったのかわからないけど、Aを置いて逃げたことは本当に後悔している」
Tが話し終えたあとにこう最後に締めくくった。
「作り話はほどほどにな」
埼玉のあそこのことかな
面白かったです
うん
あそこだね。今は骨組みだけらしいよ
ゾクゾクした。
久しぶりに怖い話見れて満足した。