辿り着けない6階
投稿者:足が太い (69)
友達の家に遊びに行った時のこと。
友達は10階建て賃貸マンションの6階に住んでるので、私は1階からエレベーターに乗って、6階で降りるつもりでした。
しかし5階や7階など他の階には止まるのに、なぜか6階には止まらないのです。
エレベーターが故障しているのかと思って、5階で降りて非常階段を上がって6階に行くことにしました。
5階で降りて非常階段を上がっていると、上からカツン、カツンという足音が聞こえてきます。
誰かが上の階から非常階段を使って降りてきているのかと思って見上げましたが、誰もいません。
足音ではなく違う物音かと思って気にせず非常階段を上がっていきましたが、6階に通じる扉がどうしても見当たらないのです。
さすがにおかしいと思って、非常階段を上がるのをやめて、1階まで一気に下がりました。
それからマンションから少し離れた場所で、友人に電話をかけたのです。
友人「もしもし、どうしたの?」
私「実はこういうことがあって(事情を説明する)、今日はちょっとそっちに行くのやめとこうと思うんだけど」
すると、聞き慣れた友人の声とは違った、しゃがれた老人のような声が「…チッ、もう少しだったのに」と言った後、いきなり電話が切れました。
すぐ友人に電話をかけましたが、今度は全く繋がらなくなりました。
今でもその友人とは連絡がつきません。
あのまま非常階段を上がっていたらどういうことになっていたのか、今思い出しても恐怖を感じます。
え?今でも?