修道院にあった、とあるノート
投稿者:Jacob (7)
これは数年前、夫と行った某修道院観光で起こった不思議な出来事です。
その修道院は広く、何棟か建物もありました。修道院観光に興味のあった私は、現地につくなり自由に歩き回っていました。
夫はあまり修道院に興味がなく、入ってすぐの建物にベンチを見つけると、腰を下ろしてここで待っていると私に言いました。
夫のこの、「興味のないものに対するスタンス」は昔からだったので、私のほうも気兼ねなく施設内を一周しました。満足いくまで周ってから、私は夫の元に戻りました。
ベンチに座っていたはずの夫はいませんでした。
トイレにでもいったのかと辺りを見回していると、すぐそばの建物から夫が出てきました。
スマホをいじりつつでてきた夫に、なにか気になるものでもあったのかと聞いてみたのですが、どことなく上の空の返事を返されました。
なおもスマホをいじる夫に、もう一度どうしたのかと聞いてみると、夫はようやく私に視線を寄こし、ついでにスマホも渡してきました。
スマホの画面には、当時より数年前に起こったある傷害事件の記事が載っていました。これがどうかしたのかと夫に問うと、私に「ついてきて」といいました。
夫はつい先ほど自身が出てきた建物の中に入っていき、ノートが置かれている棚の前で立ち止まりました。
そのノートは観光者が名前が書いてありました。どうやらここで懺悔をした人が、自ら名前を書き残すノートのようでした。
夫はそのノートをめくり、たくさん書かれている名前の中からある人物の名前を指さしました。わたしはぎょっとしました。その名前は、先ほど夫が見せてきたスマホに載っていた事件の犯人だったからです。
(※少し変わったフルネームと住所が一緒だった)
堪らず私は夫に、どうしてこの方を調べたのかと聞いてみました。ノートは数多くの名前が書かれていたのにも関わらず、なぜと。
この名前が気になって仕方なくなった、と夫はといいました。反応に困っている私を見て夫は、不思議なこともあるもんだねと笑いました。
私には霊感のようなものはまったくありません。でも夫はそういうものを少し持っているらしく、時折こういった不思議な体験をしています。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。