慰霊碑の知らせ
投稿者:もちむぎ (6)
私が幼少の頃のお話ですが、夏に地元地域で行われる小さなお祭りの打ち上げにバーベキューを行う習慣がありました。
夜7時ぐらいから打ち上げが始まり、
大人達はお酒を飲み、こども達はBINGO大会や花火などのイベントがありました。
こども達の中でも低学年の子などは打ち上げの進行と共に眠くなり
高学年の子はたまの夜遊びで舞い上がっていました。
気のいいおじさんが「肝試し」に連れて行ってやるといい高学年の子を集め
軽トラの荷台に乗せとある山を巡行する事になりました。
山はネットにも乗っている心霊スポットでした。
その山には戦争の慰霊碑が建てられており、そこを目指しての肝試しでした。
軽トラに揺られ、談笑しながら農道のような道を進んで行くと何か音が聞こえてきました。
うまく聞こえなかったのですが、それは何か歩く音の様にに聞こえました。
音とともに荷台に乗っていた子が田んぼに落ちてしまいました。
私はびっくりして落ちたのかと思いました。
低速で進んでいた為、大事は至りませんでしたが打ち上げ会場に戻る事になりました。
落ちた子は最初泣いていました。話を聞くとだれかに手を服を引っ張られたと言っていました。
大人達が対処してる間、その子を見ていた私はある事に気づいてしまいました。
そこの子の服には手形の様な形で泥が付いていました。
私は怖くなり、それ以上は触れることはありませんでした。
後日、私より上の先輩たちが例の山へ肝試しに行った際に
轟音と共に火の玉を見たと言っていました。
あの体験はこれ以上山に悪ふざけで入るなという慰霊碑の知らせだったのかもしれません。
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