廃病院での肝試し

これは私が大学生だった時の話です。

当時大学生2年生だった私はサークル仲間4人と一緒に怪奇現象が起きると噂の廃病院へドライブに出かけました。

ファミレスで軽く夕御飯をすませ軽自動車に乗って片道1時間、目的の病院に着いたのは夜中の12時を回る頃でした。
この廃病院は地元でも有名な心霊スポットで昔医療事故が相次ぎ患者が亡くなり、そのため病院の人気は廃れ、廃墟と化した様です。
建物は4階建てで月明かりに照らされたその姿はなんとも不気味で嫌な雰囲気が漂ってます。

とりあえず私達は懐中電灯片手に一階から4階まで探索する予定でしたがメンバーの一人が急な目眩、頭痛により歩行困難な状態になってしまったため探索は中心となってしまいました。
せっかく遠くから来たのに残念ではありますがメンバーの体調を第一に考え廃病院を後にしました。

帰りの車の中でたわいも無い話をしている最中、気分が悪くなったメンバーが声を振るわせてこう言いました。
「みんなには見えた？わかった？」と。私達はなんのことか分からず「どうしたの？何かいたの？」と聞き返すと「病院の中で包丁を持ったホームレスが沢山私達を見ていた」との事。
後で他の人から聞いた話だとその廃病院は現在ホームレスの住処となっている様で肝試しに訪れた若者を襲っていると噂されている様です。

あのまま病院に入っていたら私達は今頃どうなっていたのか、想像もしたくありません。