霊を初めて信じた日
投稿者:エビデン (3)
短編
2022/04/17
06:26
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僕には少し歳の離れた弟がいます。弟は幼少期かなり霊感が強く、物心ついたころから何もない壁と喋ったり、道端で小石を見かけて泣いたりするような子でした。
両親は全くと言っていいほど霊感はなかったので、小さいうちならではの行動かな、程度に思っていたそうですが。
僕自身もそういった類のことは全くと言っていいほど信じていなかったので、「また始まったよ」くらいにしか思っていなかったのですが…そんなある日のことです。
部屋で弟と遊んでいた時、急に弟が天井を指さして「手が見える」と言い出しました。僕はいつも通りはいはい、と軽く受け流していたのですが、弟はじっと上を見上げています。
何気なく僕も目線を上げた、その時でした。
「バンッ!!」
という音とともに、蛍光灯から垂れていた細紐が天井に向かって跳ね上がりました。そしてすぐに蛍光灯が数秒消えたのち、点灯しました。二人で目を合わせてフリーズした後、心底びびりながら母親に電話したことは記憶に残っています。
その出来事から漠然と「霊」という存在を信じるようになりました。そして、この出来事は弟もよく覚えているらしいのですが、これ以降ぱったり霊感はなくなったそうです。オチが弱いと思われるかもしれませんが、これが「本当にあった」不思議な話です。
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