ご退去いただいた?
投稿者:こぼんち (2)
その半年後にもう一人。
同じくやはりソファで寝てしまい、目覚めると違和感が。
目の前に男の顔があるのです。
ソファの背もたれに片手をかけて私の顔を覗き込んでいるのです。
黒いハイネック?の目に光がない無表情のスポーツ刈りの男性でした。
こちらはスピーディでした。
内心ドキドキしていましたが体はいたって冷静に、男性の顔をつかんで後ろに倒して首根っこを掴みます。
そのまま玄関に引きずっていきドアの鍵を開けドアノブをひねり外に投げてしまいました。不法滞在者には強制退去です。
恐ろしいほど軽かったこととドアノブが冷たかったのを覚えています、男性は一言も発しませんでした。
そして久方ぶりにきた母の友人は「あれ?二人ほどいなくなってるような・・・?」
母はまだ私の夢での凶行を友人に話していなかったようで驚いたそうです。
本当にご退去していただけたのかはわかりませんが、どうやらそうらしいです。
しかし前回の話が本当ならまだ一人残っています。
今度はちゃんと自室で寝ていました。
私の部屋は当時小学生だった弟と共有で、ロフトベッドの下に勉強机が入っていて背中合わせに弟のベッドと机が同じように配置されています。
夜中に母親と父親のヒソヒソとしゃべりながら自室の前を通る声と足音が通り過ぎます、
トイレへ向かっていたようです。
連れだってトイレへ行くなんて珍しいな?と思いましたが特に気にせず寝なおそうと思い梯子に背を向けウトウトしていると梯子を上ってくる気配がします。
両親のどちらかが何かあって心配で見に来たのか?と思いますが雰囲気がおかしい。
金縛りではなく恐怖で体が動かないのです。
ゆっくりゆっくり鉄の梯子にぶつかる爪の音と体重がかかってきしむ音が迫っています。
上まできた気配はすぐ背後。
肩をガシッと掴まれ後ろに引っ張られます、こちらを向けというようにすごい勢いで。
息が止まり、顔を見てしまったら私はどうなってしまうのかと恐怖でおかしくなりそうでした。
しかし振り返った空間には何もなく、先ほどの空気もなく。
トイレから戻っていくであろう両親の声が部屋の前ドアを通り過ぎ遠ざかって行きます、きっとほんの数秒か数分の出来事だったのでしょう。
確実に夢じゃない、冷や汗をかいたまま気絶するように眠ってしまいました。
悪夢の中で幽霊と取っ組み合いの喧嘩したことあるので、投稿内容を読んでいて共感出来たり恐怖の感情とかも何もかも自分に似ている人だなぁって思ってしまいました。