友人の豪華な屋敷
投稿者:ぴ (414)
部屋に入る手前で、ゴールデンレトリバーが遠くで異様に吠えているのが聞こえてきました。
何に吠えてるのかなと思ったけど、それほど気にせずそのままベッドに入ったのです。
私は普段一度眠りにつくと、朝まで起きないタイプです。
だからベッドに入って深夜目が覚めてしまったときに、少しだけ驚きました。
時計を見るとまだ夜の2時過ぎ。疲れているはずなのに、珍しく深夜目覚めた自分に、人の家に泊まったので、なんだか神経が落ち着かないのかなと一度トイレに立ったのです。
眠る前に教えてもらいましたが、トイレは私の部屋を出て、すぐ左にありました。
トイレに入って用を足して、それからトイレから出ようとしたら、外でなんだか鈍い「どすっ」という音が聞こえて、びくっとしました。
トイレの戸をそっと開けると、キーっと高い音が出てそれにまたびくっ。トイレを開けて、音の出所を探したのですが、トイレからは何も分かりません。
しかし、定期的に「どすっ」という鈍い音が聞こえるんです。
「何この音…」と私は気味が悪くなりました。
トイレから出て部屋に戻ろうと思って、その音が廊下の窓の外からしていることに気が付きました。
だから私はその出所が気になってしまって、廊下の窓をすっと覗いてみたのです。
そして目の前に何かが落ちていく姿を目にして、思わず「ひぃ」っと悲鳴のような声をあげてしまいました。
だって、それは多分人だったと思います。
私の階よりも上の部屋から人が落ちて「どしゃっ」と下に身を投げ出されるような鈍い音がしたのです。
私はそれをすぐ傍で目にして、がくがくと体が震えるのを感じました。
ただそれで終わりじゃなかったのです。
私がそれを目にして窓の前で、腰を抜かしそうになっていたら再び上から何かがひゅっと落ちてきました。
さっきと同じ人のようなものが上から再び落ちて、ぐしゃっと下で潰れる音がしました。
その音が生々しすぎて、ひーひー言いながら、私は部屋に逃げこんだのです。
もう心臓は早鐘のように鳴っており、呼吸も浅くなっていました。
けれどそこで震えていたら、部屋の中で物音がしました。
「どすっ」と鈍いあの音がして、ぐしゃっという何かが潰れるような音がしたと思います。
私の心臓はもう張り裂けそうなくらい早く鳴っていました。
私は目を瞑って震えていました。でもすぐそこでその音はしたのです。
おそるおそる目を開けると、私のベッドに人がいました。
いや、人というのか分かりません。だってその人の顔から上は見るも無残なほど潰れて無くなっていました。
こちらを振り向きそうになる「それ」を見て、私は恐怖に慄きました。
私はそこで叫んだのか叫べなかったのか分かりません。
とにかく怖くって、尋常ではないくらい体がガタガタ震えて、一気に意識がなくなりました。
稀な経験したのに
距離を置くなんてもったいないよ