友人の豪華な屋敷
投稿者:ぴ (414)
今思い出しても背筋が冷たくなりますが、私は昔に信じられない恐怖体験をしたことがあります。
それはとある友人宅で起こったことでした。
その日私は学生時代の友人に一本電話をかけました。というのも、出張のために泊まるホテルを用意しなければいけなかったのですが手違いで予約し損ねてしまって、急遽泊まれる場所を探していたのです。
学生時代のよしみで、家に一泊だけ泊めてもらえないかと電話をかけてみました。
正直、簡単にいいですとは言ってもらえないことは分かっていたのですが、他に頼る相手がいなかったために、その友人にダメ元で電話してみたのです。
驚くことに、その友人は二つ返事でOKしてくれました。
私は仕事の契約が順調に決まり、ちょっとスキップしたい気持ちで、待ち合わせの駅までやってきました。
駅につくと、すぐに友人が駆け寄ってきてくれ、私は彼女の車で自宅まで運んでもらいました。
もう辺りは暗くなっていて、「こんな時間からごめんね」とひたすら頭が上がらない感じでおうちにお邪魔したのです。
友人は「全然いいよ」と笑顔で受け入れてくれました。
相変わらず彼女の家は広かったです。
幼少時代に数回遊びに行ったことがありましたが、本当に広くてお城みたいな敷地の家なのです。
そして玄関に入ると、ゴールデンレトリバーが出迎えてくれました。
「お客様用だから」と言って、彼女は一室の部屋を案内してくれました。
そこはとても片付いていて、ベッドも豪華で白を基調とした部屋でした。
あまりに豪華なので、「え、こんなキレイな部屋じゃなくてもいいよ」と私は申し訳なくなりました。
学校を卒業して、ほとんどその子との縁がなくなっていました。
だから、泊めてくれるなんて露ほども思っていなかったし、断れて当然くらいの気持ちで一泊できないかお願いしたのです。
それなのにこんないい部屋に泊まらせてもらえるなんて、ちょっと心苦しいと思いました。
しかし、友人は「全然いいの、気にしないで。お風呂も沸いているから先に入る?」とお風呂にまで案内してくれました。
すでに食事は会社の人と外で済ませてきたので、あとはお風呂に入るだけでした。
だけど、友人はせっかく久しぶりに話したいこともあるしと誘ってくれて、夜食のお菓子まで用意してくれたのです。
懐かしい昔話をしながら、私たちの会話は弾みました。
お互いにまだ独身だったこともあり、その手の話でも盛り上がりましたね。
私は同じ会社勤めの恋人がおり、友人にも最近恋人ができたという話でした。
お風呂の後にはその洋菓子を食べて、至れり尽くせりのまま部屋に戻ることになったのです。
「せっかくなのに明日の朝帰るの?」と友人に聞かれて、ちょっと申し訳なくなりました。
しかし、明日午後から仕事の打ち合わせがあったので、どうしても帰るしかなくて、友人に「本当に泊まるだけ泊まってごめんね」と謝ったのです。
また埋め合わせすると私が言うと、「全然いいけど、もうちょっと話したかった」と言われて、ちょっと申し訳なくなりました。
だから「また来るからさ」と言って、部屋を分かれたのです。
稀な経験したのに
距離を置くなんてもったいないよ